F1のパワーユニット(PU)性能均衡システム「ADUO」を巡り、FIA(国際自動車連盟)とレッドブルの間で緊張が高まっている。
今週末のイギリスGP開催地シルバーストンでは、この問題に関する高官レベルの協議が行われる見通しとなった。
オランダ紙『De Telegraaf』によると、FIA幹部はF1イギリスGPでレッドブル首脳陣と会談し、同チームの内燃機関(ICE)を「グリッド最強」と評価した理由について説明する予定だという。
この判断により、レッドブルはADUOによる開発優遇措置の対象外とされた。
FIAはこの結論に至るまで、レッドブルが提出した証拠を8日間にわたり精査したとされる。
しかし、最終的に評価を変更することはなかった。
今回の会談には、レッドブルの最高経営責任者(CEO)オリバー・ミンツラフと、共同オーナーのマルク・マテシッツが出席する見込みだ。さらに来週には、レッドブルF1チーム代表のローラン・メキースを交えた追加協議も予定されている。
パドック内では、レッドブルの「政治的影響力の低下」を指摘する声も出ている。
特に、元チーム代表のクリスチャン・ホーナーと、長年アドバイザーを務めたヘルムート・マルコ博士の不在が、こうした制度交渉に影響した可能性があるとの見方もある。
また、フェラーリF1代表のフレデリック・バスールも、FIAの初期評価に驚きを示している。
バスールはイタリア紙『Corriere della Sera』に対し、メルセデスが序盤8戦で7勝を挙げながらADUO対象となった点について問われ、「もちろん驚きました」と語った。
さらに、評価基準について次のように説明している。
「このシステムは、レース結果ではなくICEの出力計算に基づいています。そして私たちは、FIAが使用するすべてのデータにアクセスできるわけではありません。レッドブルの方が私たち以上に驚いていたと思います」
今回の論争の核心は、ADUOの適用がPU全体ではなく、ICEの性能のみに基づいて決定される点にある。
その結果、電動システムを含めた総合性能では最強と見られるメルセデスが、制度上は開発優遇措置の対象に含まれるという逆転構造が生じている。
一部関係者は、各チームの政治的影響力や準備力の差が結果に影響した可能性を指摘しており、制度そのものを巡る議論も広がりを見せている。
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