7月24日(金)、FIA(国際自動車連盟)が2026年F1第11戦ハンガリーGPに向けた各チームの車両変更申告書を公開し、アストンマーティン・アラムコF1チームが「AMR26」に16項目のアップデートを投入したことが明らかになった。
アストンマーティンがFIAに提出した資料では、16項目すべての主な目的が「性能向上―局所的な空力荷重」とされている。
変更範囲はフロントウイング、ノーズ、フロア、サイドポッド、リアサスペンション、リアウイングまで広範囲に及び、AMR26の空力パッケージをほぼ全面的に刷新する内容となった。

大型アップデートを投入したアストンマーティン・ホンダ(C)FIA

1.フロントウイング
変更点:
正面から見た形状と平面形状を見直し、各エレメントのコード(翼弦長)の配分を変更した。
アップデートの狙い:
エンドプレートやノーズ、マシンのほかのアップデートと組み合わせ、フロント部分の空力性能を高める。
2.フロントウイング・エンドプレート
変更点:
エンドプレート本体に加え、ダイブプレーンと下部のフット形状を更新した。
アップデートの狙い:
フロントウイングやノーズと一体で機能させ、フロント部分の空力性能を高める。
3.ノーズ
変更点:
従来型よりも長く、細い形状のノーズを採用した。
アップデートの狙い:
フロントウイングとエンドプレートに適合させ、フロント部分を流れる気流を改善する。
4.フロントコーナー
変更点:
フロントブレーキダクト外側のリップ形状を見直し、後方側のデフレクターを延長した。
アップデートの狙い:
新しいフロントブレーキダクトの外部エレメントを新型フロントウイングと連動させ、フロントタイヤ周辺の気流を制御する。
5.フロア本体
変更点:
レギュレーション上、変更が認められているフロアのすべての表面を変更した。
アップデートの狙い:
フロアが生み出す空力荷重を増加させ、マシン全体の性能を向上させる。
6.フロアフェンス
変更点:
フロア前縁に設けられたベーンの形状を更新した。
アップデートの狙い:
フロア本体やフロアエッジ、ディフューザーと連動させ、フロア下を流れる気流を改善する。
7.フロアエッジ
変更点:
フットおよびボード部分に加え、リアタイヤ前方のエリアを変更した。
アップデートの狙い:
フロア周辺の気流を整え、フロアが生み出す空力荷重を増加させる。
8.ディフューザー
変更点:
メインディフューザー、フェンス、小型補助翼の形状を変更した。
アップデートの狙い:
新しいフロア・パッケージと連動させ、マシン後部で生み出す空力荷重を増加させる。
9.サイドポッド・インレット
変更点:
新しいボディワーク・パッケージに合わせて、サイドポッドのインレット形状を見直した。
アップデートの狙い:
マシン後部へ送られる気流を改善し、フロア形状の変更による効果を補完する。
10.コークボトル/エンジンカバー
変更点:
コークボトルとエンジンカバーの形状に、比較的小規模な変更を加えた。
アップデートの狙い:
ボディワーク周辺からマシン後部へ流れる気流を改善し、新しいフロア・パッケージを効果的に機能させる。
11.冷却ルーバー
変更点:
基本的なコンセプトは従来型と同様の冷却パネルを採用した。
アップデートの狙い:
気温やマシンの冷却要求に応じて冷却システムを最適な状態に設定できるよう、複数のルーバー構成を用意する。
12.リアサスペンション
変更点:
リアサスペンションを構成する部材の位置と、外部フェアリングに小規模な変更を加えた。
アップデートの狙い:
リアブレーキダクトやフロア後部の変更と連動させ、マシン後部の空力性能を向上させる。
13.リアコーナー
変更点:
リアブレーキダクトのインレット、アウトレット、ベーンに細かな変更を施した。
アップデートの狙い:
リアサスペンションやフロア後部の変更と連動させ、リアタイヤ周辺の気流を改善する。
14.リアウイング
変更点:
3枚のエレメント間でコード(翼弦長)の配分を変更し、フラップ後縁に小型補助翼を追加した。
アップデートの狙い:
コーナーモード(CM)で空力荷重を増加させながら、ストレートモード(SM)では空気抵抗(ドラッグ)を低減する。
15.ビームウイング
変更点:
リアウイング・ブレースのねじれ分布を変更した。
アップデートの狙い:
リアウイングやエンドプレート、マシン後部の変更と連動させ、空力荷重と空気抵抗のバランスを改善する。
16.リアウイング・エンドプレート
変更点:
エンドプレートを構成するすべての表面形状を見直した。
アップデートの狙い:
リアウイングとビームウイングを効果的に機能させ、空力荷重の増加と空気抵抗の低減を両立する。
2026年F1で導入されたコーナーモード(CM)は、前後の可動ウイングを通常の位置にして空力荷重を確保する状態を指す。一方、ストレートモード(SM)では、指定された区間で前後のウイングを開き、空気抵抗を減らして最高速度を高める。
今回投入された16項目は、個別のパーツを単純に追加したものではない。フロントからリアまでの気流を一体的に見直し、フロアによる空力荷重の増加と、リアウイングによる空気抵抗の低減を両立させる大規模なパッケージとなっている。
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