角田裕毅、F1で学んだ「感情のコントロール」苦難を乗り越え復帰を渇望「戻りたくてたまらない」

2026年08月16日(日)17:00 pm

記事要約


・F1デビュー当初、感情のコントロールが大きな課題

・2024年に目標としていた水準へ到達、翌年レッドブルへ昇格

・リザーブとして準備を続け、グリッド復帰へ強い意欲


レッドブルとレーシングブルズのテスト兼リザーブドライバーを務める角田裕毅が、3月の中国GP週末に行われたF1公式サイトのインタビューで、F1参戦からの5年間を通じて感情と向き合い、ドライバーとして成長してきた過程を明かした。

2021年のデビュー当初、角田は速さで注目を集める一方、無線で感情を表に出す姿も話題になった。しかし、チームリーダーとしての役割を意識し始めたことで、感情を伝えるのではなく、マシンの改善につながるフィードバックを返す必要性を理解した。2024年には、感情のコントロールについて、自らが目標としていた水準に達したと振り返っている。

■弱点だった感情のコントロール チームを導く存在へ成長

角田は2021年のバーレーンGPでF1にデビューした。予選ではQ2に進み、決勝はスタート直後に最後尾近くまで順位を下げながらも9位まで挽回。デビュー戦でポイントを獲得する好スタートを切った。

一方、ルーキーイヤーは速さと安定感を両立できず、クラッシュや予選での早期敗退、決勝での取りこぼしも重なった。それでも最終戦アブダビGPでは4位に入り、自己最高位を記録した。

角田がチームリーダーとしての責任を意識し始めたのは、F1参戦3年目の後半だったという。

「F1に参戦した頃、感情のコントロールは僕の弱点の一つでした。自分の性格を変えなければならないほどでした」

無線では、感情をそのまま伝えるのではなく、エンジニアが活用できる情報を返すことが重要になる。角田は時間をかけてこの課題に取り組み、F1参戦4年目となる2024年には、感情のコントロールについて目標としていた水準に到達したと説明している。

当時レーシングブルズF1を率いていたローラン・メキース代表も、2024年の角田について「傑出したシーズン」であり、これまでで最も完成度が高かったと評価した。角田はレッドブル昇格候補として、改めて存在感を示した。

■レッドブル昇格後は「最も厳しいシーズン」

2025年の角田は、レーシングブルズでオーストラリアGP予選5番手、中国GPスプリント6位と好スタートを切った。前年まで3年間にわたって乗り続けてきたマシンには、自身の要望やフィードバックも反映されており、手応えを感じていたという。

第3戦日本GPからは、リアム・ローソンに代わってレッドブルへ昇格した。母国でレッドブルデビューを果たしたことは、角田にとってF1キャリアの大きなハイライトとなった。

しかし、エミリア・ロマーニャGPの予選で喫した大クラッシュを境に状況は悪化した。複数の新しいパーツを失い、旧仕様での走行を余儀なくされた後は、7戦連続でポイント圏外に終わった。

その後、オランダ、アゼルバイジャン、アメリカ、カタールの各GPで入賞したものの、マックス・フェルスタッペンとの差を縮め切れず、2025年限りでレースシートを失った。

角田は、日本GP以降がF1キャリアだけでなく、人生においても最も厳しい時期になったと振り返る。レースのない週にも気持ちが沈み、その理由が分からない状態が続いたため、外部の助けが必要だと考え、自分自身をもっと理解しなければならないと気づいたという。

厳しい一年となった一方、その経験を通じて、人間として大きく成長できたとの手応えも得た。

■レースを離れて気づいた「復帰への飢え」

2026年は、角田にとってF1参戦後初めてレースに出場しないシーズンとなった。レッドブルとレーシングブルズのリザーブとして、デブリーフやシミュレーター作業を通じてチームを支えている。

開幕戦オーストラリアGPの週末を画面越しに見守ることは想像以上につらく、そこでF1が自分にとってどれほど大切な存在なのかを改めて実感した。

そして、レースシートへの復帰をどれほど強く望んでいるのかも再認識した。

「戻りたくてたまらないです」

一方、ほかのチームで走る道もあったなか、F1に残るためにリザーブという立場を選んだことを3月の日本GPで明かした。

「ある意味、レースをしないことを選んだのです。それはF1に残るためです」

角田は、日本GPの週末には金曜日からチームに帯同し、助言を行っていたと説明した。また、自ら日程を調整しながら、シミュレーター作業にも取り組んでいるという。

実戦を離れてもトレーニングを続け、3月時点では、フィジカル面がこれまでで最も良い状態にあると語っていた。

将来は自分だけでは決められない。それでも、チームから声がかかったときにすぐに力を発揮できるよう、角田は今できる準備を積み重ねている。

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