2026年F1第14戦スペインGPのフリー走行3回目(FP3)が行われ、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がトップタイムを記録した。2番手はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)だった。
角田裕毅(レーシングブルズ)は15番手、チームメイトのアービッド・リンドブラッドは14番手。アストンマーティン・ホンダはフェルナンド・アロンソが17番手、ランス・ストロールが19番手だった。
ストロールには、新たなパワーユニット(PU)構成部品の投入に伴い、グリッド降格ペナルティが科される見通しだ。
セッションではルイス・ハミルトン(フェラーリ)とオリバー・ベアマン(ハース)が相次いでクラッシュ。ハミルトンの事故後にはバリア修復が難航し、残り15分30秒でセッションの時計を止める異例の対応が取られた。
気温24℃、路面温度44℃、湿度43%のドライコンディションで始まったFP3。多くのドライバーは路面状況の改善と気温の上昇を待ち、予選に近いコンディションで走るため、やや遅めにコースへ出た。気温25℃、路面温度46℃、湿度41%まで上昇した。
走行が本格化すると、ルクレール、アントネッリ、ランド・ノリス(マクラーレン)がソフトタイヤで速さを見せた。前日のFP2でギアボックストラブルによりほとんど走れなかったノリスにとっても、予選に向けた重要な走行機会となった。
一方、FP2でクラッシュしたリンドブラッドは、ガレージでの作業がセッション序盤まで続いたため走り出しが遅れ、赤旗中断からの再開後にコースへ出た。
アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)はウォールに接触。「壁に少し当たってしまいました」と無線で報告し、ガレージへ戻った。トラックロッド※を破損して交換作業が必要となり、そのまま走行を終えた。
※トラックロッド:ステアリング操作を前輪に伝え、タイヤの向きを変える棒状の部品。
チームメイトのカルロス・サインツも、ブレーキングでタイヤをロックさせてコーナーを直進し、正面のバリアに衝突する寸前でマシンを止めた。
レッドブルから出場するリアム・ローソンは、ハードタイヤで走行を開始。リアタイヤのロックとマシンの跳ねを無線で報告した。
初日にハードタイヤを使用したのはアウディのみで、他チームは温存していた。FP3序盤もソフトタイヤで走行するチームが多い中、アウディ勢はミディアムタイヤで走行を開始した。
ハードタイヤを2セット残しているチームは、決勝での2ストップ戦略を視野に入れている可能性がある。
ハミルトンは最終ターンで止まりきれず、正面からバリアに衝突してフロントウイングを破損した。
脱落したフロントウイングを引きずりながらピットへ戻ろうとしたが、チームは安全な場所に停止するよう指示。右フロントタイヤのパンクも指摘された。
フェラーリ「安全なところに止めてください」
ハミルトン「戻れます。ダメなら安全なところに止めます」
フェラーリ「右フロントがパンクしているので、止めてください」
ハミルトン「見えています、見えていますよ」
ハミルトンは残り約33分の時点でコース脇にマシンを止め、降車した。
セッションは赤旗中断となり、マシンの回収とバリアの修復が行われた。しかし、バリア(クッションパッド)を元の正しい位置に戻す作業が難航。中断が長引き、レースコントロールは残り15分30秒の時点でセッションの時計を停止した。
再開後、ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)はミディアムタイヤ、ほかのドライバーはソフトタイヤで走行した。
角田は中古ソフトタイヤで一時7番手につけ、新品ソフトタイヤを履いたリンドブラッドが8番手に続いた。この時点で両者の差はわずか0.003秒だった。
角田はその後、無線でグリップ不足を訴えながら再アタックへ向かった。しかし、ベアマンのクラッシュで再び赤旗が提示され、アタック出来ずそのままセッションは終了した。最終的にはリンドブラッドが14番手、角田が15番手となった。
終盤にはベアマンが高速区間でウォールに接触してバランスを崩し、ターン11でスピン。マシンが約180度回転し、左後方からバリアに激突した。
衝突でタイヤがマシンの上へめくれ上がるような状態となり、ハースF1の小松礼雄代表が頭を抱える姿も見られた。再び赤旗が提示されたが、ベアマンは自力でマシンを降り、無事な姿を見せた。
予選を前に、複数のチームがマシンの損傷に見舞われるFP3となった。
TopNewsをフォロー・購読