キャデラックが11番目のチームとしてF1に加わるなか、FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ベン・スレイエム会長が、早くも12番目のチームの参戦に向けて扉を開いた。
ベン・スレイエム会長が求めているのは、単にF1のチーム数を増やすことではない。12番目のチームには、中国の大手自動車メーカーが参戦すべきだとの考えを示している。これは、中期的に新たなチームを加える必要はないとの見解を最近示したF1のステファノ・ドメニカリCEOとは対照的な姿勢だ。
ベン・スレイエム会長は、FIAが12番目のチームを募るための入札手続きを開始することは可能だとしたうえで、重要なのはチーム数ではなく、どのようなチームが参戦するかだと強調した。
「FIAは、12番目のチームを募るための入札手続きを開始できます。しかし、私たちに必要なのは、ただの『1チーム』でしょうか? いいえ、必要なのは『ふさわしいチーム』なのです」
「だからこそ、私はそのように発言し、プロモーターにも伝えました。新たなチームが必要だという点では意見が一致しています。そして、そのチームは中国から参戦するべきです」
イタリア誌『Autosprint(アウトスプリント)』によると、ベン・スレイエム会長は、中国の大手自動車メーカーである『BYD』と同じく中国を代表する民間大手自動車メーカーグループの『ジーリー』とすでに協議したことも明らかにした。
「F1参戦に関心を示しているメーカーとも会いました。そのひとつがBYDで、もうひとつがジーリーです。彼らが正式に参戦の意思を示すのであれば、関心表明の募集手続きを開始すると伝えました」
ベン・スレイエム会長は当初、BYDに対し、既存チームを買収する方法も提案していたという。
しかし、BYD側の希望は異なっていた。
「彼らは、自分たちのチームを持ちたいと答えました」
ただし、新規参戦に向けた正式な手続きを開始するには、まずFIAが納得できるだけの具体的な提案が必要になるという。ベン・スレイエム会長は、BYDに次のように伝えたと明かした。
「分かりました。それなら、しっかりとした提案を持ってきてください。実現可能かどうか検討しましょう、と伝えました」
この発言が注目されるのは、ドメニカリCEOが最近、当面は12番目のチームを追加する考えはないと示したばかりだからだ。キャデラックのF1参戦が最終的に認められるまでには激しい政治的な攻防があっただけに、FIA会長とF1側の姿勢の違いが再び浮き彫りになっている。
一方、ベン・スレイエム会長は、電動化を重視する中国メーカーがF1に参戦しても、それによって将来のF1レギュレーションが左右されることはないと明言した。V8エンジンへの回帰をめぐる議論についても同様だという。
「レギュレーションが中国メーカーの影響を受けることはありません。そのようなことは認められません。レギュレーションには安定性が必要です。中国メーカーが電動化の最先端にいることは分かっています。しかし、それだけが私たちの目標を達成する方法なのでしょうか?」
「私たちは環境への負荷を減らし、空気をよりクリーンにしようとしています。それを実現する方法はいくつもあります。」
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