記事要約
・フェルスタッペンが今季2度目のポール獲得、ジェッダ市街地で最速タイムを更新
・角田裕毅はフェルスタッペンにトウを提供し、8番手獲得とともにチームに貢献
・ノリスのクラッシュやアルピーヌのトラブルなど、波乱の多い予選展開となった
●【2025年F1第5戦サウジアラビアGP】全セッション開催日時・結果
2025年4月19日(土)、第5戦F1サウジアラビアGP(ジェッダ市街地サーキット)の2日目、公式予選が行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がF1日本GP以来となる今季2度目のポールポジションを獲得し、ジェッダ市街地サーキットのコースレコードを更新する圧巻のアタックを披露した。
スリリングなポール争いの末、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)はわずか0.010秒差で2番手に。3番手にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が続いた。
Q3では、もう1人のポール候補だったランド・ノリス(マクラーレン)がターン5の縁石でバランスを崩してクラッシュし、赤旗中断となった。ノリスはノータイムでセッションを終えている。
■角田裕毅8番手、HRC勢は?
レッドブル・レーシングとレーシングブルズの計4台はいずれもホンダ・レーシング(HRC)製のパワーユニットを搭載している。
角田裕毅(レッドブル)はQ1で5番手、Q2で7番手と好調を維持し、Q3でも健闘。今季自己最高の8番手を記録した。フェルスタッペンとの差は0.910秒とやや開いたが、実はそのポール獲得に貢献していたことが明らかになっている。
一方、レーシングブルズ勢はQ2で敗退。リアム・ローソンは12番手、アイザック・ハジャーは14番手に終わった。
■Q1:アルピーヌに珍事件
気温29度、路面温度38度、湿度62%というコンディションの中、18分間の予選Q1がスタート。16番手から20番手までのグリッドが決まるセッションだ。
アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)はアタック中に壁へ接触したが、ダメージは軽微で走行を続けた。
このセッションでは珍事件も発生。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)のマシンがガレージを出る際、右フロントのタイヤウォーマーが車体のパーツに引っかかり、タイヤに巻き込まれてしまった。ピットクルーが取り外そうと試みたがうまくいかず、最終的にはマシンを後退させて対処した。F1用のタイヤウォーマーは高価で、壊れればバジェットキャップにも影響するため、慎重な扱いが求められる。

●【予選Q1タイム/前車差】フェルスタッペンがQ1首位通過!角田裕毅は5番手!HRC勢Q2へ!マクラーレン勢も猛追
■Q2:ハミルトン、0.007秒差でQ3進出
続く15分間のQ2では、11番手から15番手のグリッドが決定。
リアム・ローソン(レーシングブルズ)にアンセーフリリースの疑いがかかったが、審議の結果お咎めなしとなった。
フェルスタッペンは縁石でマシンのフロアを強く打ち、プランク(車体下部の板)の状態をチームに確認依頼。規定より削れすぎると失格の可能性があるため、慎重なチェックが必要とされた。

熾烈な争いの末、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が10番手でQ3進出。一方、アルボンはわずか0.007秒差で11番手に沈んだ。ローソン、アロンソ(アストンマーティン)、ハジャー、ベアマン(ハース)もQ3進出を逃した。
●【予選Q2タイム/前車差】角田裕毅Q3進出!フェルスタッペンと0.461秒差
■Q3:フェルスタッペンのポールに角田が貢献
12分間のQ3では、上位10台によるポールポジション争いが展開。マクラーレン、レッドブル、メルセデス、フェラーリの4強に対し、アルピーヌのガスリーとウィリアムズのカルロス・サインツが挑む構図となった。
角田裕毅はこれまで「4強+2枠」を目指して戦ってきたが、今ではトップ8入りが当然という立場でQ3に臨んでいる。
最初にタイムを記録したのはピアストリ。市街地コース特有のリスクを避け、空いたタイミングで安全に基準タイムを出す戦略を採った。
だがその直後、マクラーレンにとって悪夢のような展開となる。ノリスがターン5でクラッシュし、予選は赤旗中断となった。

再開後、角田がフェルスタッペンにトウ(前方走行による空気抵抗軽減)を提供。映像上は距離があるように見えるが、空力効果によりフェルスタッペンの直線スピードが向上し、タイム短縮に寄与した。
結果、フェルスタッペンとピアストリの差はわずか0.010秒。角田のサポートがなければ、ポールポジションは実現していなかったかもしれない。
角田は自身も8番手を獲得。タイム差はあったものの、チームのために自己犠牲を払う姿勢は、トップチームの一員として評価されるべきだ。

また、サインツがハミルトンを抑えて6番手に入ったのも注目点だ。自らのフェラーリのシートを奪ったハミルトンを上回ることで、サインツは存在感をしっかりと示した。

さらに、ルノー製パワーユニットで直線スピードに不利なガスリーが1.073秒差で9番手に食い込んだのは驚きだ。コーナリング性能の高さが光り、今後の展開にも期待がかかる。
●【予選Q3タイム/前車差】マックス・フェルスタッペン圧巻PP!角田裕毅8番手
■F1サウジアラビアGP:予選結果
| 順位 | 車番 | ドライバー | タイム差 | 前車差 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | フェルスタッペン | 1:27.294 | ||
| 2 | 81 | ピアストリ | 1:27.304 | +0.010 | |
| 3 | 63 | ラッセル | 1:27.407 | +0.103 | |
| 4 | 16 | ルクレール | 1:27.670 | +0.263 | |
| 5 | 12 | アントネッリ | 1:27.866 | +0.196 | |
| 6 | 55 | サインツ | 1:28.164 | +0.298 | |
| 7 | 44 | ハミルトン | 1:28.201 | +0.037 | |
| 8 | 22 | 角田裕毅 | 1:28.204 | +0.003 | |
| 9 | 10 | ガスリー | 1:28.367 | +0.163 | |
| 10 | 4 | ノリス | クラッシュ | -- | |
| Q2敗退 | |||||
| 11 | 23 | アルボン | 1:28.109 | -- | |
| 12 | 30 | ローソン | 1:28.191 | +0.082 | |
| 13 | 14 | アロンソ | 1:28.303 | +0.112 | |
| 14 | 6 | ハジャー | 1:28.418 | +0.115 | |
| 15 | 87 | ベアマン | 1:28.648 | +0.230 | |
| Q1敗退 | |||||
| 16 | 18 | ストロール | 1:28.645 | -- | |
| 17 | 7 | ドゥーハン | 1:28.739 | +0.094 | |
| 18 | 27 | ヒュルケンベルグ | 1:28.782 | +0.043 | |
| 19 | 31 | オコン | 1:29.092 | +0.310 | |
| 20 | 5 | ボルトレート | 1:29.462 | +0.370 | |