マクラーレン最強の”秘密”…なぜ壊れず、なぜ全開?謎行動の裏に“黄金タンク”の存在か

2025年06月13日(金)20:26 pm

記事要約


・マクラーレンに金色タンクが存在、冷却技術との関連が注目

・独自のコックピット冷却システムが空力や信頼性に寄与か

・首位のピアストリは「今だけがチャンスではない」と冷静


■謎の「金色タンク」…マクラーレンの支配を支える冷却テクノロジーか

フレキシブルウイングやタイヤの持ちの良さ――。その卓越したレースペースの秘密に関して、さまざまな噂が飛び交うなか、マクラーレンの支配を支えるもうひとつの「秘密」が浮上してきた。

オスカー・ピアストリとランド・ノリスの快進撃が続く中、ドイツ『Auto Motor und Sport』のマイケル・シュミット記者は、「パドックではまだまだ多くの秘密が囁かれている」と報告する。

■FP3の本気アタック、隠されたリアタイヤ…不可解な動きの数々

「なぜマクラーレンは本来意味の薄いFP3で毎回限界に挑み、驚異的なタイムでライバルを驚かせるのか。なぜメカニックたちはブレーキダクトを作業する際、車の前に並んで視線を遮るのか。なぜグリッド上で、マクラーレンだけがリアタイヤを最後の瞬間まで装着しないのか――」とシュミットは指摘する。

このような“謎”のひとつが、今回ついに明らかになりつつある。

それは、マシンのノーズ全体を取り外したときにだけ見える場所に設置された、金色の謎のタンクだという。写真に捉えられたこのタンクは取り外されておらず、非常に目立つ存在だ。

一部ではこのタンクがドライアイスの貯蔵に使われ、コックピット冷却と関連していると見られている。

シュミットはこう説明する。

「フロントウイング、アクスルのジオメトリー、ウィッシュボーン、ベンチュリダクト――これらが組み合わさり、ダウンフォースの中心がちょうどドライバーの真下に来るように設計されている。だからマクラーレンには独自のコックピット冷却システムがある。特殊な液体が冷却ダクトを循環し、車体下部やサイドポッド、リアブレーキベントまでが空気の渦を生み出し、ディフューザーと後輪の隙間を密閉するように働いている」

■マクラーレンだけがエンジントラブル知らず?

この冷却システムこそが、2025年シーズンにおいてメルセデス系チームが相次いで抱えているエンジン信頼性問題を、唯一マクラーレンだけが回避している理由かもしれない。

「マシン全体の冷却が改良されており、ボディに排熱用のギル(開口部)を設ける必要がない。それにより空力効率も損なわれていない。車体から放出される熱も減っており、タイヤの寿命にも好影響を与えている」とシュミットは語る。

「ブレーキドラムの間に通るエアダクトは、ある地点から先の熱をリムの内壁に伝えないよう設計されている。相変化金属が熱遮蔽に使われているかは不明だが、マクラーレンはこの件に関して一切コメントしていない」

■ピアストリは冷静さを貫く「チャンスは今だけじゃない」

そんなマシンを操るオスカー・ピアストリは、チャンピオンシップ首位として冷静な姿勢を崩していない。

「タイトルのことを意識して何かを変えるつもりはありません。今まで通りのレーススタイルを貫きます」とピアストリは語った。

「僕はいつも頭を使って走るようにしていますし、トラブルを避けるのが第一です。“正しいことを証明するより、まずはレースを生き残れ”という言葉がありますが、僕はそれを大切にしています」

さらにこう続けた。

「今シーズンが唯一のチャンスだとは思っていません。もちろん、そうなる可能性もありますが、“これを逃したら終わり”というようなプレッシャーを自分にかけるつもりはないんです。キャリアはまだ始まったばかりですから。」

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