・ハミルトンも2026年エンジン規則に反発
・ドライバー間で電動依存への不満拡大
・将来的なV8復活論に現実味
フェラーリのルイス・ハミルトンが、物議を醸しているF1の2026年エンジン規則に対する反発をさらに強めた。将来的なルール変更を巡る政治的対立が激化する中での発言となった。
議論が再燃したのはカナダGPだった。一部報道によれば、フェラーリやアウディなどのメーカーが、2027年以降に内燃エンジン比率を「60対40」に高める移行案に反対しているという。
レッドブルに所属する4度のワールドチャンピオン、マックス・フェルスタッペンは、この新たな対立を受け、十分な改善がなされなければF1から完全に離れる可能性を改めて示唆した。
そして今回、カナダGPを2位で終えたハミルトンも、現在のF1の方向性に対する批判を再び口にした。
7度のワールドチャンピオンであるハミルトンは、「モータースポーツ本来の姿とは感じません。ストレートの終わりまでエンジンを限界まで回し続け、加速し続けるべきです。V8やV10時代はそうでした」と語った。
一方、アストンマーティン・ホンダのランス・ストロールは、さらに踏み込んだ発言をした。
「僕に決定権があるなら、バッテリーは一切不要です。実際に運転するのはドライバーですが、ルールを決めるのはメーカーです」
ウィリアムズのドライバーであり、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事も務めるカルロス・サインツは、「60対40」の妥協案ですら十分ではないとの考えを示した。
サインツは次のように語った。
「電動部分は補助的なものであるべきで、今のように依存するものではありません。ドライバーの立場からすれば、60対40でもまだ十分ではありません。ただ、本当のレースと本物のエンジンが2030年に戻ってくるまでの間、レースを続けるには十分かもしれません」
マクラーレンとレッドブルは、早急な変更を強く支持している。マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラは、各チームが自らの競争上の利益だけでなく、F1全体の利益を考える必要があると警鐘を鳴らした。
ステラ代表は次のように語った。
「これは個人の利益を超えて優先されるべき共通の利益です。なぜなら、良いスポーツでなければ、そしてF1というビジネスの価値を守らなければ、最終的に全員が損をするからです」
メルセデスは、表向きには妥協に前向きな姿勢を示している。
しかし、カナダGPでも圧倒的なパフォーマンスを見せたことから、パドック関係者の多くは、メルセデスが現行レギュレーションの維持を望んでいるとみている。
そんな中、新規則擁護の急先鋒となったのがジョージ・ラッセルだった。決勝ではトップ走行中にリタイアし、タイトル争いに大きな痛手を負ったにもかかわらず、ラッセルは現行規則を支持した。
ラッセルは、チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリとの激しいバトルを例に、新レギュレーションの成果を強調した。
「ここまで激しいバトルは何年も経験していません」とラッセルは語った。
「2014年のルイス(ハミルトン)とニコ(ロズベルグ)以来、こういう争いは見ていません。今のマシンだからこそ可能ですし、今のパワーユニット(PU)だからこそ可能なのです」
また、ラッセルはフェルスタッペンの名前こそ出さなかったものの、急激なルール変更を求める一部ドライバーに疑問を投げかけた。
「なぜルールを変えたがる人がいるのか分かりません。メルボルンでも素晴らしいバトルがありましたし、中国でも良い戦いがありました。そして今週末も、キミと白熱したバトルを繰り広げることができました」
一方、F1CEOのステファノ・ドメニカリは、リバティ・メディアで2027年の調整だけでなく、2030年あるいは2031年の自然吸気V8エンジン復活も支持していることを明らかにした。
ドメニカリはフランス紙『L’Equipe』に対し、「私は1,000%V8支持です」と語り、軽量なマシンとシンプルなエンジンこそが「モータースポーツの純粋な本質」だと表現した。
F1界のレジェンドであるエマーソン・フィッティパルディも、将来的な大音量エンジンの復活を支持する一方で、過度な悲観論には慎重な姿勢を示した。
イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』に対し、次のように語った。
「F1は常にF1です。改善できる点はまだありますが、これほど大きな技術変更があれば、改善点が出てくるのは当然のことです」
しかし、過去の時代で最も恋しいものを問われると、フィッティパルディは即答した。
「自然吸気エンジンです。あの素晴らしいサウンドを私たちは失ってしまいました。」
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