モナコGPで発生したピットレーン速度違反を巡る騒動が、FIAの「計測ミス認定」によって一気に炎上している。アルピーヌのピエール・ガスリーの表彰台復帰が正式に認められた一方で、複数チームが強い不満を表明し、パドック全体が揺れている。
FIAはF1バルセロナ・カタルーニャGP決勝前に、ガスリーに科されていた2件の5秒ペナルティについて「本来課されるべきではなかった」と認めた。
バルセロナでの審理を経て、ガスリーは正式に3位へ復帰。これにより、アイザック・ハジャー(レッドブル)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、リアム・ローソン、アービッド・リンドブラッド(ともにレーシングブルズ)は、それぞれ1つずつ順位を下げることとなった。
ドイツ誌『Auto Motor und Sport』によると、今回の違反は、すべて同一の不正確な計測区間で発生していたという。
「正しい最短距離26.15メートルではなく、26.92メートルという古い数値が使用されていました」
この誤差は、モナコGPにおける「2026年改訂ピットレーン入口レイアウト」に起因していたとされる。
同誌はさらに「レース中に記録された6件すべての違反が、この誤った計測ゾーンで発生していました」と付け加えた。
FIAの「誤り認定」はパドック全体に波紋を広げている。
ドイツ誌『Speed Week』によれば、レッドブル、マクラーレン、レーシングブルズの各チームは、法的異議の可能性を含めて検討を進めるとともに、一斉に意向書を提出したという。この審理には全11チームの代表が参加した。
マクラーレンのオスカー・ピアストリは、冷静ながらも厳しい見解を示した。
「レース中に非常に多くの裁定が下されている以上、FIAが今さら結果を変更するとは思いません。ただ、このようなことはF1であってはならない事態です」
メルセデスも、ジョージ・ラッセルのレースが大きく損なわれたとして説明を求めている。
チーム側は「日曜日になって突然10台のマシンが、ピットレーン速度違反に抵触したわけではありません。これは事前に指摘されていた問題です」と主張している。
メルセデスF1代表のトト・ウォルフは、ラッセルへの影響について次のように語った。
「チームとして、そして特にジョージにとって非常に大きな影響でした。あのペナルティがなければ、そして我々がペナルティの消化手順を誤らなければ、彼のレースはまったく違う結果になっていたはずです。私たちの計算では3位、もしくはそれ以上もあり得ました」
ただしウォルフ代表は、結果変更の可能性については現実的ではないとの見方も示している。
「現実的に結果を覆すチャンスがあるかと言われれば、そうは思いません。ただ、わずかでも可能性がある限り挑戦すべきです」
アルピーヌF1のマネージングディレクターであるスティーブ・ニールセンは、レース中にペナルティを受けたドライバーたちに同情を示した。
「本当にスピード違反をしていたかどうかは、もう誰にも分かりません。もし私が彼らの立場なら、怒るでしょうね」
モナコGPでの「計測ミス発覚」は、単なる順位変更にとどまらず、F1の裁定プロセスそのものへの信頼を揺るがす事態へと発展している。
【関連記事】
●ガスリー正式に3位復帰!「F1キャリアで最もつらい日」今季初表彰台復活の舞台裏
|
|