元F1ドライバーのルネ・アルヌーは、フェラーリのシャルル・ルクレールがルイス・ハミルトンとの比較で苦戦を強いられている現状について、単なるマシン適応の問題にとどまらず、「心理面」にも影響が及んでいるとの見解を示した。
2025年のフェラーリ加入初年度には、ルクレールのチームメイトとして苦戦が続いていたハミルトンだが、現在はメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリに次ぐ選手権2番手につけ、有力な追走者として存在感を強めている。
アルヌー自身も、この展開は完全に想定外だったと明かしている。
イタリア紙『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デッロ・スポルト)』に対し、アルヌーは次のように語った。
「年齢とともにハミルトンはキレを失ったと思っていましたが、彼は真のチャンピオンであることを証明しました。ハミルトンはチームを背負い、ファンの信頼を勝ち取っています」
さらにアルヌーは、フェラーリの急速な技術的進化についても高く評価した。
「フェラーリは大きな前進を遂げました。開発はうまく機能しており、チャンピオンシップはまだ長いです。すべての要素が揃っており、メルセデスとの手に汗握る戦いになるでしょう」
一方で、フェラーリのガレージ内では対照的な状況が生まれている。
ルクレールは、モナコGPおよびバルセロナ・カタルーニャGPでのクラッシュを含め、厳しい週末が続いている。一方のハミルトンは、着実にマシンへの適応と自信を深めている。
アルヌーはルクレールについて次のように指摘した。
「現時点でルクレールの士気はどん底です。予想外の脆さを見せており、ミスが多すぎます」
さらに、ルクレールの問題の本質について、技術的要因以上にメンタル面が大きいと強調する。
「ルクレールがマシンに馴染めていないのは明らかですが、問題は主にメンタルです。彼はハミルトンがこれほどの競争力を発揮してくるとは予想していなかったのでしょう」
アルヌーはまた、メルセデスにおけるチームオーダーを巡る議論にも言及した。
メルセデスF1代表のトト・ウォルフは、バルセロナ・カタルーニャGPにおいてアントネッリとチームメイトのジョージ・ラッセルを自由に競わせた判断が、結果的に勝利を逃す一因になった可能性を認めている。
ウォルフ代表は、同様の状況が再び発生した場合には、異なる対応を取る可能性を示唆している。
しかしアルヌーは、このレースにおいてチームが介入する正当性は薄かったと主張する。
「まだシーズンの半分にも達していません。時期尚早です。バルセロナ・カタルーニャGPでは、フリー走行でも予選でもラッセルの方がアントネッリより速かったのです。チームがラッセルに順位を譲るよう求めるべきではありませんでした」
さらに、2人の置かれた立場の違いにも触れた。
ラッセルについては「極めて複雑な状況にあります。すべてが懸かっており、タイトルを逃せば将来が不透明になります」と分析した。
一方で、19歳のアントネッリについては次のように語っている。
「アントネッリは、より自由に、自信を持ってレースができます。まだ31戦しか経験がなく、周囲からの期待値がまったく異なります」
さらにアルヌーは、現在ポイントリーダーに立つアントネッリがチーム内から強い支持を受けている点も、大きなアドバンテージになると見ている。
「アントネッリは、チームからもウォルフ代表からも愛されています。彼にはタイトルを獲得する大きなチャンスがあります」
ただし、チームメイト同士のライバル関係が過熱することへの警鐘も鳴らした。
「アントネッリとラッセルは注意しなければなりません。過去にはチームメイト同士の間で、あまりにも多くの接触や問題が起きています」
若手とベテランが同居するメルセデスにおいては、純粋な速さだけでなく、チーム内のバランス管理が今後のタイトル争いを左右する重要な要素になりそうだ。
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