レッドブルの苦戦とともに、マックス・フェルスタッペンの将来を巡る憶測は一段と熱を帯びている。
契約に含まれるパフォーマンス条項により、4度の世界王者が離脱する可能性も取り沙汰される中、メルセデスが水面下で接触していたという新たな証言が浮上した。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュラント)』に対し、こう語っている。
「メルセデスF1代表のトト・ウォルフが、水面下でフェルスタッペンにオファーを出したと聞いています」
しかし、その内容は“本気の引き抜き”とは程遠いものだったという。
「そのオファーは金額的にあまりにも条件が悪く、まったく検討の余地がないものでした」
さらに交渉の時期について問われると、シューマッハはこう強調した。
「いやいやいや。それは重要ではありません」
シューマッハは、メルセデスの狙いそのものに疑問を抱いている。
「以前から言っていますが、メルセデスの構想どおりにチーム作りが進めば、ウォルフ代表が高額なフェルスタッペンを、将来のスーパースターであるアンドレア・キミ・アントネッリの隣に置く理由はあるのでしょうか?」
議論の背景には、メルセデス内部の力関係の変化がある。
アントネッリは、バルセロナ・カタルーニャGPでマシントラブルにより5連勝こそ途切れたものの、レース中にはチームメイトのジョージ・ラッセルを難なくオーバーテイクする場面を見せた。
シューマッハはこの走りをもって、序列はすでに決まったと断言する。
「キミは自分の方が速いことを証明しました。キミがメルセデスのナンバー1です」
さらに、ラッセルについては厳しい見方を示した。
「ジョージは一歩退かなければなりません」
バルセロナ・カタルーニャGP後のウォルフ代表の発言も、その解釈を後押ししている。
ラッセルとアントネッリのバトルでタイムを失ったことを振り返り、ウォルフ代表はこう語った。
「おそらく、2人が争っていたことで5〜6秒を失ったと思います」
さらに、フェラーリへ移籍したルイス・ハミルトンの勝利に触れながら、今後についても言及した。
「今後数戦で新たなライバルとの争いが本格化する可能性を踏まえ、チームの戦い方は見直す必要があります」とウォルフ代表は語った。
こうした状況を踏まえ、シューマッハはフェルスタッペン加入そのものに疑問を投げかける。
「そうなると、チーム内で2人のドライバーが確実に争うことになります」
さらに、かつてメルセデスが経験したハミルトンとニコ・ロズベルグ(元メルセデス)時代を引き合いに出し、そのリスクを強調した。
「ウォルフ代表はその状況をよく知っています。あれは、頭を抱えるような状況でした。そして何より、キミを危険にさらすことになります。ですから、それは(フェルスタッペン獲得は)まったく理にかなっていません」
レッドブルの動向とともに、フェルスタッペンの去就、そしてメルセデスのチーム構想は今後も大きな焦点となりそうだ。
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