メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、F1デビューを果たした2025年、周囲の期待に応えられていないと感じるなかで「プレッシャーに押しつぶされた」と振り返った。
しかし、自分自身と向き合い、チームとの話し合いを経て苦境を乗り越えたことが、2026年の自信につながったという。今季は6勝を挙げ、19歳でドライバーズ選手権首位に立っている。
アントネッリは2023年にフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権を制し、F3を経ずに2024年からF2へ昇格した。
その後、ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍によって空いたシートに起用され、2025年にメルセデスからF1デビューを果たした。
デビューシーズンは好調な滑り出しを見せたものの、欧州ラウンドに入ると苦戦が続いた。
アントネッリは、SAPのポッドキャスト『Significant Figures』で当時を振り返り、次のように語った。
「昨年は特にプレッシャーを感じていました。シーズン序盤は良かったのですが、欧州ラウンドに入ると本当に苦しみました。その時期は、プレッシャーに押しつぶされてしまった部分もありました。僕を信じてくれた多くの人々、何より僕の起用を決めたトトを失望させていると感じていたからです」
自分を信じてくれた人々の期待に応えなければならないという思いが、自らを追い詰める要因になっていた。
流れを変えたのは、欧州ラウンド後に行われたチームとの話し合いだった。
アントネッリは、メルセデスと話し合ったことで気持ちをリセットし、再出発できたと明かした。その後は徐々に調子を取り戻し、シーズン後半には好調な走りを見せた。
「苦しい時期を乗り越えられたことで、今年につながる自信を得られました。また、ドライバーとしてだけでなく、一人の人間としても、自分自身について多くのことを学びました」
重圧の中で身体や思考がどのように反応するのか、集中力を取り戻すには何が必要なのか、そしてレース週末を通じてエネルギーを維持するにはどうすべきかを学んだという。
こうした学びが、今季の自信につながっている。
アントネッリは、メルセデスが自分を守ろうと力を尽くしてくれたと語った。
また、2025年には、小規模なチームでデビューしていた場合よりも、はるかに多くを学べたと振り返った。
「学びの量はものすごく、1年間で3年分を経験したような感覚でした。新しい経験があまりにも多く、肉体的にも精神的にも圧倒されました」
その経験を乗り越えたアントネッリは、2026年の第3戦日本GP以降、ドライバーズ選手権首位を維持している。
メルセデスF1代表のトト・ウォルフも、アントネッリが悪いレースや挫折を引きずらず、冷静に分析して前へ進む姿勢を高く評価している。
ウォルフ代表によると、アントネッリのF1に向けた準備は8歳の頃から始まっていた。
ウォルフ代表が「F1のために育てられてきた」と表現した19歳は、才能に加え、重圧に対処する方法も身につけ、F1王座を争う存在へと成長している。
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