複数のF1レジェンドが、2026年シーズン前半のメルセデスで繰り広げられているアンドレア・キミ・アントネッリとジョージ・ラッセルのチーム内対決について、それぞれの見方を示した。
F1で通算10勝を挙げたゲルハルト・ベルガーは、19歳のアントネッリによってラッセルが「目を覚まされた」と表現した。
1996年F1世界王者のデイモン・ヒルも、その才能と成熟度を高く評価している。
11戦終了時点では、アントネッリが219ポイントでドライバーズ選手権首位。ルイス・ハミルトンが169ポイントで2位、ラッセルは160ポイントで3位につけており、メルセデスのチームメイト同士の争いがタイトルの行方を大きく左右する状況となっている。
ベルガーは、トップチームで走る以上、速いチームメイトの登場によってプレッシャーを受けることは避けられないと指摘した。
「ジョージは、アントネッリの存在で目を覚まされました。アントネッリがかなり特別なのは間違いありません」
一方で、限界まで攻めるラッセルについても高く評価している。
若さを武器にリスクを取って攻めるアントネッリと、経験豊富なラッセルでは持ち味が異なるとして、王座争いの行方は最後まで分からないとの見方を示した。
ヒルは、F1参戦2年目のアントネッリについて、ルーキーイヤーの経験が今季の飛躍につながっていると分析した。
「驚くべき成長です。明らかに並外れた才能があり、19歳とは思えない成熟度も備えています」
ヒル自身も1996年、ウィリアムズで10歳年下のジャック・ビルヌーブをチームメイトに迎え、タイトルを争った経験を持つ。
当時と現在では状況が異なるものの、ヒルは自身の経験を重ね合わせながら、ラッセルもアントネッリという若く速いチームメイトに対し、自らの方法で上回る術を見つける必要があると指摘している。
1972年と1974年のF1世界王者エマーソン・フィッティパルディも、19歳でタイトルを狙うアントネッリがラッセルに大きなプレッシャーを与えていると指摘した。
同時に、ラッセルがその重圧をモチベーションへ変えることができれば、2人の争いはさらに興味深いものになるとの見方を示している。
元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤは、アントネッリが非常に速いだけでなく、人間的にも好感を持たれやすい存在であることに注目。
その上で、まずはラッセルが安定してアントネッリと同等の速さを発揮することが重要だと指摘した。ラッセルが速さで並べば、今度はアントネッリにプレッシャーをかけ、ミスを誘う展開もあり得ると分析している。
また、2016年F1世界王者のニコ・ロズベルグは5月、タイトル争いが激しくなれば両者の衝突はいずれ避けられなくなると予想していた。
さらに、メルセデスF1のトト・ウォルフ代表が、問題が起きる前に2人と対応を話し合っておく必要があるとも指摘していた。
一方、ラッセル本人は、メルセデスがアントネッリを優遇しているとの見方を否定している。
ウォルフ代表に「お気に入りのドライバー」はいないとし、アントネッリにも、かつてのチームメイトであるハミルトンと同じように敬意を持って接していると説明した。
さらに、新世代のマシンとパワーユニット(PU)について学んでいる今は、情報を隠す余裕はないと強調した。
「僕たちの間に秘密はありません」
外部からは、アントネッリの台頭によるラッセルへの重圧や、今後の衝突を予想する声も上がっている。それでも現時点では、両者は情報を共有しながらタイトルを争っている。
59ポイント差を追うラッセルが巻き返すのか、それとも19歳のアントネッリが首位を守るのか。
メルセデスのチーム内王座争いは、後半戦の大きな焦点となりそうだ。
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