・F1マイアミGPは雷雨予報を受け、開催可否やスケジュール変更を緊急協議
・落雷時は医療ヘリ停止など現地規則により、走行中断の可能性
・雨天時は2026年規則のブースト停止や、制御不能な車両挙動が新たな懸念に
マイアミGPの決勝日を前に、天候予報の悪化を受けてF1関係者は対応に追われている。悪天候によって日曜日の決勝レースに影響が出るリスクが高まっているためだ。
米国当局は雷雨の可能性が70%あると警告しており、落雷が検知された場合、現地規則によってセッションを一時中断しなければならない。これには医療ヘリコプターの飛行停止も含まれ、その場合は一切の走行が不可能となる。
FIA(国際自動車連盟)の広報担当者は、すでに準備を進めていることを認めた。
「我々は気象予報を注意深く監視しています。昨年のマイアミでも同様の雷雨の脅威があったことを踏まえ、不測の事態に備えた緊急時対応計画を用意しており、混乱を最小限に抑えるために必要に応じて発動させます」
ドライバーにも説明が行われており、ハースのエステバン・オコンはスケジュール変更の可能性を示唆した。
「ここでは雷雨の場合に特別なルールがあると聞いています。もしそうなったら、ブラジルの時と同じように、かなり早い時間に目覚ましをセットしないといけなくなるでしょうね」
各チームは、2026年規定下でのウェット走行という複雑な課題にも直面している。雨によって路面グリップが低下した場合、FIAはオーバーテイクブースト※システムの使用を一時停止する。このシステムは通常、最大350kWの追加パワーを供給するが、雨で滑りやすい路面ではハイブリッドモーターの強力なトルク(回転力)によってタイヤが一気に空転し、スピンを招くリスクが非常に高くなるためだ。安全上の理由から、雨天時はこの機能を強制的にオフにする措置が取られる。
※オーバーテイクブースト:2026年規定から導入された新システム。追い抜き時に最大350kW(約475馬力)の電気出力を使える仕組みで、従来のDRSに近い追い抜き支援の役割を担う。強力な電気パワーが一気に駆動力へ加わるため、雨天時や低グリップ時には空転を防ぐ細かな制御が必要になる。
出力の出方は固定されたエンジンマップで制御されることになり、アクティブエアロ※も制限される。これには、直線で空気抵抗を減らすシステムの一部無効化も含まれる。
※アクティブエアロ:前後のウィングを動かすことでダウンフォースをコントロールし、トップスピードを上げる。
ドライバーたちは、こうしたコンディションでレースをすることは、極めて難しい挑戦になると語っている。
ウィリアムズのドライバーで、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事も務めるカルロス・サインツは、次のように話した。
「雨になった時に何が起きるのかは、明らかに全員の頭の片隅にあります。昨年見たように、ここはかなり水たまりができます。非常に平坦なコースなので、水が路面に残るのです。それが安全と言えるレベルかどうか、間違いなく懸念材料になるでしょう」
フェラーリのシャルル・ルクレールは、新型マシンがそうした状況で予測しにくい挙動を見せると警告した。
「このマシンの奇妙なところは、ウェットの方がドライの時よりもストレートの終わりで速度が速くなってしまうリスクがあることです。そうなれば、僕たちドライバーは制御不能で、ただ『乗せられているだけ』の存在になります。これはもう、勇気の問題ではありません。」
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