・FIA会長がV8エンジン復活を明言、2030年導入目標
・2026年レギュレーションは問題が残り、ドライバーからも「改善困難」との厳しい声
・内燃エンジンと電動の比率見直しの必要性が指摘される一方、政治的要因が障壁
FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ベン・スレイエム会長は、2026年の新レギュレーションに対する批判が続く中、F1にV8エンジンが間違いなく復活するとの見解を示した。
マイアミGPで行われた新レギュレーション下のレース週末でも議論が巻き起こる中、エネルギーマネジメントの調整では根本的な問題は解決されなかった。
そうした状況を受け、ベン・スレイエム会長は「V8エンジンは戻ってきます」と断言した。
マクラーレンのオスカー・ピアストリは、現在のレース展開を「かなり異常」と表現した。
「ある時点ではジョージ・ラッセルとの差は1秒ありましたが、ストレートの終わりにはオーバーテイクされていました。かなり予測しづらい状況です。速度差が非常に大きく、ディフェンス側のドライバーとしてオーバーテイクを予測する(自身の順位を守るために相手の接近を予測する)のは非常に困難です。その点に関しては、あまり改善されていないと思います。FIAとF1の連携自体は良いと思いますが、現在のパワーユニット(PU)では変更できることには限界があります」とピアストリは語った。
チームメイトのランド・ノリスは、さらに踏み込んだ発言をしている。
「正直なところ、修正できるとはあまり思えません。バッテリーを取り外すしかありません」
こうした中、ベン・スレイエム会長は2026年レギュレーションの早期終了を視野に入れ、持続可能燃料を用いた自然吸気V8エンジンの復活に強い意欲を示している。
「最終的には時間の問題です。V8エンジン復活の目標は2030年です。現行レギュレーションの終了より1年前倒しします。もしメーカーが承認しなければ、2031年には実現するでしょう。これは支持が必要かどうかの問題ではありません。実現させます。V8エンジンは戻ってきます」
さらにベン・スレイエム会長は、必要に応じてFIAが単独で決断を下す可能性にも言及した。
「2031年には、エンジンメーカーの投票なしでもFIAは実施する権限を持ちます。私たちはそれを1年前倒しで実現したいと考えています。V8エンジンには、サウンド、シンプルさ、軽さがあります。最も人気があり扱いやすいのがV8エンジンです。まもなく詳細をお伝えできるでしょう。電動化はごくわずかに残りますが、主役は内燃エンジンになります。現在のような比率46対54(※現在想定されている設計上の内燃エンジンと電動の比率)にはなりません。電動の比率は最小限になります」
なお、V10エンジンの復活については否定している。
4度の世界王者であり、レッドブルのマックス・フェルスタッペンも、現行の2026年レギュレーションには限界があると認めている。
「現在の(内燃エンジンと電動の)55対45の比率(※現行のパワーバランスを踏まえたおおよその数値)から離れ、以前のようにエンジン比率を75〜80%程度まで戻す必要があります。それが実現すれば非常に良いと思います」
ただし、その実現には政治的な障壁があるとも指摘する。
「来年すぐに75〜80%になることはありません。常に政治的な問題が絡みます」
一方でGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事であるカルロス・サインツは、より現実的な姿勢を求めた。
「このレギュレーションには、まだ改善の余地があると思います。ただ、批判ばかりするのではなく、正しい方向への改善を続けるべき時です。」
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