・カナダGPで勢力図に変化、ハミルトンが躍進
・ルクレールにとっては「キャリア最悪の週末」
・ハミルトン、エンジニア体制変更が復調の要因に
ルイス・ハミルトンが、困難な時期を経て、ついにフェラーリで主導権を握り始めたようだ。
ハミルトンが2025年に加入して以降、フェラーリではチームメイトのシャルル・ルクレールが優勢を保ってきた。
しかし、カナダGPでは状況が大きく変化した。過去を振り返ると、カナダはハミルトンが得意とする一方で、ルクレールにとっては苦手なサーキットとして知られている。
週末を通じてルクレールは苦戦を強いられ、マシンの感触が非常に悪かったことを認めた。
モナコ出身のルクレールはベルギーの放送局『RTBF』に対し、「キャリアの中で最悪の週末でした」と語った。
「フリー走行から、まともなラップを一度も走れていません。すべてのコーナーで壁に突っ込んでしまいそうな感覚でした。何一つ明るい要素はありませんでした。でも、ルイスは僕とは違ってしっかり仕事をやり遂げました。僕にとっては悪夢以外の何物でもありません。マシンに対して、とても奇妙な感覚があります」
一方のハミルトンは、フェラーリ移籍後苦戦が続いていたが、屈指のパフォーマンスを披露。レースでは旧知のライバル、マックス・フェルスタッペンをオーバーテイクし、2位でフィニッシュした。
レース後、7度のワールドチャンピオンであるハミルトンは、「偉大なドライバーの一人であるマックスと戦えたことは本当に素晴らしかったです」と振り返った。
また、この週末はコース外でも大きな意味を持つものとなった。ハミルトンは引退説を強く否定し、2027年までフェラーリに残留する契約があることを確認しただけでなく、今後「5年間」の構想についても語っている。
こうした改善の背景には、2025年シーズンを通じて課題となっていた無線でのコミュニケーションの見直しがある。その一環として、ハミルトン周辺のエンジニアリング体制※にも大きな変更が加えられたようだ。
※エンジニアリング体制:開発の目的や規模に応じて、エンジニアの役割分担、チーム構成、開発プロセスを整えた組織体制。
以前のレースエンジニアはオフシーズン中に交代しており、ハミルトンは新体制でエンジニアとの関係が深まったことが、自信の向上につながっていると語った。
ハミルトンは、「今週末は、データを解析しながら異なるセットアップを選択しました」と説明した。
「エンジニアとは非常に良い関係を築けています。彼は本当に素晴らしく、一緒に仕事をするのがとても楽しいです。また、セカンドエンジニアも今週末は素晴らしい仕事をしてくれて、マシンからさらなるパフォーマンスを引き出す助けになりました」
さらにハミルトンは、自身が求めてきた体制変更を後押ししてくれたチーム代表フレデリック・バスールにも感謝を示した。
「以前も話した通り、僕が求めた変更がたくさんありました。フレッドは非常に協力的でした。僕が快適に仕事ができるよう、あらゆる努力をしてくれました。そして、その成果がようやくパフォーマンスに表れ始めています」
またハミルトンは、カナダGP前にフェラーリのシミュレーター※を意図的に使用しなかったことも明かし、それが復調の鍵になった可能性があるとの考えを示した。
※シミュレーター:実際のF1マシンを運転する感覚を再現し、開発やトレーニングに使用される高度なシステム
「僕は昔ながらのタイプのドライバーなんです。おそらく、僕にはシミュレーターを使わない方が合っているのかもしれません。これまでのベストレースである2レースを振り返ると、シミュレーターを使っていませんでした。2008年を除けば、過去にタイトルを獲得したシーズンのほとんどでシミュレーターは使っていませんでした。だから必ずしも必要というわけではありません。強力なツールにはなり得ますが、少なくとも僕にとっては、そうではないのでしょう。」
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