2026年F1第10戦ベルギーGPの決勝がスパ・フランコルシャン・サーキットで行われ、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が、一度は失った首位を奪い返し、ポール・トゥ・ウィンを達成、今季6勝目を挙げた。
2位にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が入った。
決勝は雨予報から一転し、気温18℃、路面温度28℃、湿度50%のドライコンディションでスタートした。
2番グリッドのフェルスタッペンは、急勾配のオー・ルージュ入口でポールポジションのアントネッリを一気にオーバーテイクした。しかし、ケメル・ストレートに入る前に電力を使い切り、アントネッリに抜き返されると、さらにルクレールにも抜かれた。
そのすぐ後方では、ストレートエンドのターン6のレ・コームでルイス・ハミルトン(フェラーリ)とジョージ・ラッセル(メルセデス)が接触した。スピンしたラッセルはグラベルへ飛び出し、イエローフラッグが振られた。
その後のコーナーでは、エステバン・オコン(ハース)がチームメイトのオリバー・ベアマン(ハース)と接触してパーツが飛散し、火花を散らしながらグラベルへ大きくコースアウトしたが、そのままコースに復帰して走行を続けた。
このタイミングで、ラッセルのマシンを撤去するためにセーフティカーが導入され、接触の原因をつくったハミルトンには5秒のペナルティが科された。
セーフティカー導入中には、アイザック・ハジャー(レッドブル)、ハース勢、キャデラック勢がピットインし、タイヤを交換した。オコンはフロントウイングの下にジャッキが入らず、タイヤ交換に時間を要した。
5周目にレースが再開されると、8周目のケメル・ストレートエンドでルクレールの左リアタイヤとオスカー・ピアストリ(マクラーレン)の右フロントタイヤが接触し、白煙とともにパーツが飛散した。ピアストリはマシンにわずかなダメージを負い、その後は本来のペースを発揮できない苦しい展開となった。
18周目にフェルスタッペンがピットインした直後、デブリ回収のため短時間のバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された。アントネッリはVSC中にピットインを決断したものの、VSCが解除された直後にタイヤを交換することとなった。
その後、20周目に再びVSCが導入されると、フェラーリ勢はダブルピットストップを実施し、ハミルトンは5秒のペナルティを消化した。
しかし、ハミルトンがピットアウトする際、動き出したマシンの右フロントタイヤが、フロントウイングを調整しようとしていたメカニックに接触し、転倒させてしまった。ハミルトンはマシンを一瞬止めてから「彼、大丈夫?」と無線で尋ね、チームは「みんな大丈夫」と返答した。しかし、のちにこの一件がアンセーフリリースと判断されることになる。
一方、タイヤ交換を遅らせたランド・ノリス(マクラーレン)は一時的に首位へ浮上したが、31周目のピットストップでは左リアタイヤの交換に手間取り、7.8秒を要して上位争いから後退した。
勝負が動いたのは34周目だった。アントネッリはケメル・ストレートでルクレールをオーバーテイクし、首位を奪い返した。それでもルクレールは、再逆転のチャンスを狙って食らいついた。
40周目には、ハミルトンがケメル・ストレートでピアストリのアウトサイドから並び、オーバーテイクを決めて4番手へ浮上した。
その後、アントネッリは徐々にリードを広げ、ルクレールに反撃のチャンスを与えず、トップでチェッカーフラッグを受けた。スタート直後に首位を明け渡したが奪還、レース中盤に立て直し、最後はコース上で抜き返してつかんだ勝利となった。
ハミルトンは4位でフィニッシュした。ピットで右フロントタイヤがメカニックに接触して転倒させた件については、フェラーリに3万ユーロ(約550万円)の罰金が科され、このうち1万ユーロ(約180万円)は12カ月間の執行猶予となった。ハミルトンにタイムペナルティなどは科されなかった。
PU交換によりグリッド降格ペナルティを受け、13番グリッドからスタートしたノリスは、7位まで追い上げ、ファステストラップも記録した。
同じくグリッド降格ペナルティを受けたハジャーも、最後列の21番グリッドから着実に順位を上げ、6位でフィニッシュした。終盤にはノリスの猛追を抑え切り、貴重なポイントを獲得した。
PU交換によるグリッド降格ペナルティを受け、最後尾の22番グリッドからスタートしたフェルナンド・アロンソは、競争力に乏しいマシンで最後まで走り切り、19位で完走した。
同じくPU交換でグリッド降格ペナルティを受け、20番グリッドからスタートしたランス・ストロールは、25周目にギアボックスの異常を訴え、ピットへ戻ってリタイアした。
アストンマーティン・ホンダにとっては、週末を通して厳しい戦いとなったが、次戦ハンガリーGPでは車体側の大幅アップデートを投入し、巻き返しを図る。
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