現F1世界王者で、ハンガリーGPではポールポジションから今季初優勝を飾ったランド・ノリスが、現在のF1運営の方向性に強い懸念を示した。
2026年型マシンへの批判にとどまらず、リバティ・メディア体制下で、F1がスポーツとしての価値よりも商業的利益を優先するようになっていると指摘した。
さらに、Netflixの人気シリーズ『Drive to Survive(邦題:Formula 1: 栄光のグランプリ)』の影響によって、ファンのF1の楽しみ方も大きく変化したとの見方を示した。
フランス紙『Ouest France』によると、ノリスはハンガリーGPで、現在のF1運営について次のように語った。
「今の僕たちは、利益を最大化することばかり考えています。それはスポーツのあるべき姿ではありません。そのような形で運営されるべきではありません」
ノリスは、F1がビジネスであること自体は理解しているとしながらも、商業面が優先されすぎていると指摘した。
「F1はビジネスであり、どんなビジネスも利益を上げたいと考えるものです。ですが、もはや『スポーツをいかに素晴らしいものにするか』という視点が失われています」
オランダの専門誌『Formule 1』にも掲載されたコメントの中で、ノリスは次のように付け加えた。
「第一に考えられているのは、どうすればさらに利益を増やせるかということです。スポーツは、そのように運営されるべきではありませんし、僕は残念に思っています」
ノリスは、ドライバーの意見を反映して競技の質を高めることよりも、アウディやキャデラックの参戦につながる商業的な判断が優先されていると批判した。
「僕たちの話に耳を傾けてくれます。ですが、シーズン途中にエンジンを変えることはできませんし、1〜2年前に要望を伝えても変更できません。それはマシンの性能を最適化することが目的ではないからです。これはビジネスの話なのです。僕たちに発言権はほとんどありません。多くの決定が下されるのは、単にドライバーを満足させることよりも、アウディやほかのチームがF1に参戦していることの方が大きな成果だと考えられているからです」
そのうえで、F1の将来を決める際には、ドライバーがより大きな影響力を持つべきだと主張した。
「ドライバーこそが、常に最も大きな発言権を持つべきです。それは僕たちが利己的だからではありません。レースがどうあるべきかを最も理解しているのは僕たちだからです。モータースポーツがどうあるべきか、どのようなものになり得るのか、何が可能で何が不可能なのかを、一番よく分かっている立場にいます。僕たちは、ただ皆にとって最高のF1になってほしいと願っているだけです。でも現状は、そうなっていません」
ノリスは最後に、Netflixの人気シリーズ『Formula 1: 栄光のグランプリ』の登場以降、ファンのF1の楽しみ方も変わったと分析した。
「5年前、つまり『Formula 1: 栄光のグランプリ』以前のファンが今の状況を見たら、おそらくこうした変化のいくつかをひどいものだと感じるでしょう。今では、ファンはレースそのものよりも、個々のドライバーの個性やパフォーマンスを楽しんでいます。それが、このスポーツのたどってきた変化なのです。」
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