アントネッリ、1ストップで今季9勝目!ルクレールは終盤の猛追で2位、レッドブル勢は戦略に不満/F1アメリカGP決勝ダイジェスト
2026年F1第18戦アメリカGPの決勝が行われ、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が1ストップ戦略を成功させ、今季9勝目を挙げた。
シャルル・ルクレール(フェラーリ)が終盤にランド・ノリス(マクラーレン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抜き、トップから13.078秒差の2位。フェルスタッペンが17.485秒差の3位に入った。
ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は4位、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は8位。アストンマーティン・ホンダはランス・ストロールが15位、フェルナンド・アロンソが16位でフィニッシュした。
■アントネッリが好発進、フェルスタッペンとルクレールが早くも攻防
決勝は気温27℃、路面温度38℃、湿度45%のコンディションでスタートした。
ポールポジションはアントネッリ。フェルスタッペンがフロントローに並び、3番グリッドにイザック・ハジャー(レッドブル)が続いた。フェラーリ勢はルクレールが4番、ハミルトンが5番に並び、ラッセルは6番グリッド。アロンソは予選15番手から、他車の降格により12番グリッドへ繰り上がった。
PU構成部品の追加使用に伴うペナルティにより、アービッド・リンドブラッドは5グリッド降格で14番、フランコ・コラピントは10グリッド降格で20番、ガブリエル・ボルトレートは合計80グリッド降格でグリッド最後尾の21番からスタート。
ストロールは損傷への対応で予選後にマシンを変更し、パルクフェルメ規則違反により、暫定16番グリッドからピットレーンスタートへ変更された。
タイヤ戦略はミディアムからハード、またはソフトからハードにつなぐ1ストップが有力とみられていた。メルセデス勢とマクラーレン勢、ストロールはミディアムを選択。バルテリ・ボッタスとコラピントはハード、その他の多くのドライバーはソフトで走り出した。
先頭のアントネッリは好スタートを決めた。一方、フェルスタッペンにはフェラーリの2台が迫り、ルクレールがオーバーテイク。しかし、フェルスタッペンもすぐに抜き返し、序盤から激しい攻防となった。
■序盤から接触相次ぐ、VSC導入とラッセル、ベアマンへのペナルティ
後方ではアレクサンダー・アルボンとアロンソが接触。ターン11に散らばったデブリをマーシャルが回収するため、VSC(バーチャル・セーフティカー)が導入された。カルロス・サインツとリンドブラッドの接触については、追加調査なしとなった。
また、ラッセルは序盤にオスカー・ピアストリと争い、ターン12で四輪ともコース外に出てアドバンテージを得たと判断され、5秒のタイムペナルティを受けた。ターン13ではピアストリとの接触もあった。
オリバー・ベアマンとピエール・ガスリーもターン13で接触し、ベアマンには10秒のタイムペナルティが科された。チームから伝えられると、ベアマンは「冗談でしょう?」と反応した。
■最初のタイヤ交換で戦略が分かれる、フェルスタッペンは再びソフト
マクラーレンでは、ノリスが「ずっと抑えられているよ」と無線で訴え、8周目にピアストリと順位を入れ替えて7番手へ浮上した。
上位勢のタイヤ交換では、フェルスタッペンが13周目の終わりにピットイン。ソフトからソフトへ交換し、8番手でコースに戻った。
対するルクレールは16周目にソフトからミディアムへ交換し、6番手で復帰。ハミルトンも最初のピットインでソフトからミディアムにつなぎ、9番手でコースに戻った。
ミディアムでスタートしたマクラーレン勢はハードを選択。ピアストリが交換後に12番手で復帰し、ノリスは17周目にピットインした。ノリスのピットストップは4.4秒を要し、9番手で復帰。その後、リアム・ローソンを抜いて7番手へ上がった。
フェルスタッペンはソフトの速さを生かしてファステストラップを記録。ラッセルを抜いて3番手へ浮上し、前を走るハジャーとの順位入れ替えが焦点となった。
■レッドブルの順位入れ替えに不満、アントネッリはハードで後半へ
レッドブルはハジャーに、ターン12でフェルスタッペンと順位を入れ替えるよう指示した。しかし、ハジャーは「タイムを失いたくないので、自分のタイミングで行かせて」と返答した。
フェルスタッペンは最終的に2番手へ上がったものの、入れ替えが遅れたことに「素晴らしい戦略だったね」と無線で皮肉を口にした。
一方、ラッセルは22周目にピットインし、5秒のタイムペナルティを消化した。ミディアムからハードへ交換した際のピットストップは、ペナルティ消化を含めて8.4秒を要し、10番手へ後退した。
先頭のアントネッリは24周目の終わりにピットイン。ミディアムからハードへ交換し、4番手でコースに戻った。これにより、フェルスタッペンがトップに立った。
ハジャーはルクレールを抑えた後にピットへ向かい、ソフトからハードへ交換して6番手に復帰した。ただし、ハジャーは「なぜハードなの?」とタイヤ選択に疑問を示し、フルプッシュを指示された際にも戦略への不満をあらわにした。
また、ハジャーはピットでシステムの問題に見舞われ、その後の走行にも影響が出た。フェルスタッペンもPUの作動の一貫性などに問題を抱えていた。フェルスタッペンにも報告が入るが、「何も聞こえない」と返答した。
フェルスタッペンは32周目の終わりに2度目のピットイン。今度はソフトからミディアムへ交換した。ピットストップは3.9秒を要し、トップから5番手へ後退したが、復帰後にはファステストラップを更新した。
その間にアントネッリがターン12でルクレールを抜き、トップに返り咲いた。
■フェラーリ勢が2度目の交換、ノリスを交えた2位争いへ
トップに戻ったアントネッリは、周回遅れのサインツに迫る中でタイヤをロックさせ、オーバーランする場面もあった。それでもペースを維持し、先頭を走り続けた。一方、コラピントにはリタイアの指示が出され、ピットへ戻った。
後方ではハミルトンが38周目に2度目のピットイン。ミディアムからハードへ交換し、6番手で復帰した。ルクレールも40周目に2度目のピットインを行い、同じくハードへ交換して4番手でコースに戻った。
ハミルトンはターン1でハジャーを抜き、5番手へ浮上。一方、ラッセルは8番手まで戻したものの、前を走るピアストリをなかなか抜けなかった。
終盤の見どころとなったのは、1ストップで走るノリスと、2ストップを選んだフェルスタッペン、ルクレールによる2番手争いだった。
ノリスにはチームが無線で2番手を走行中と伝え、1ストップ戦略を確認。一方、最終スティントにミディアムを選んだフェルスタッペンが、ノリスとの差を1秒以内へ縮めていった。ハードを履くルクレールもファステストラップを記録し、後方から迫った。
■ルクレールがノリス、フェルスタッペンを攻略!ハミルトンも4番手へ
ルクレールが迫る中、フェルスタッペンがノリスを抜いて2番手へ浮上。さらに、ルクレールも47周目のターン14でノリスをオーバーテイクし、フェルスタッペンを追った。
49周目にはフェルスタッペンに迫り、ターン12でイン側に飛び込んで2番手を奪った。最終スティントのミディアムで追い上げたフェルスタッペンに対し、ルクレールがハードで逆転する展開となった。
さらにハミルトンもターン1でノリスをオーバーテイクし、4番手へ。先頭のアントネッリはペースを上げ、自己ベストを更新した。
51周目にはボッタスにエンジントラブルが発生。チームからスロー走行を指示された後、ターン10付近のコース脇にマシンを止め、VSCが導入された。
レース終盤、アントネッリはSC(セーフティカー)が出た場合のピットインについてチームと無線で確認。ノリスにもSCが出た場合は新品ミディアムへ交換する方針が伝えられたが、「なんで?ソフトでしょう?」と疑問を示した。
■残り4周で再開、アントネッリ「1ストップがうまくいった」
53周目にVSCが解除され、残りは4周。アントネッリは先頭を守り、大歓声の中で最終ラップへ入った。
そのままトップでチェッカーを受けたアントネッリは、「1ストップがうまくいったね。みんな、ありがとう!」と喜びを伝えた。チームからも「トラックリミットは1回だけ。しかも、サインツのときの1回だけ」と無線が入り、今季9勝目を祝った。
ルクレールは2位でフィニッシュ。終盤の連続オーバーテイクで表彰台をつかみ、ドライバー・オブ・ザ・デイにも選ばれた。フェルスタッペンが3位、ハミルトンが4位に続き、ラッセルは8位でレースを終えた。
■アロンソは一時10番手も、フロントウイング交換で後退
アロンソはスタート直後にアルボンと接触し、その後17番手まで後退したが、サインツを抜いて16番手へ。さらにアルボンも抜いて15番手へ浮上した。
各車のタイヤ交換に伴って一時10番手まで順位を上げ、28周目にピットイン。ソフトからミディアムへ交換し、14番手で復帰した。
しかし、その後に「フロントの何かを失いました。」と無線で報告。チームからピットインを指示され、フロントウイングを交換するとともに、タイヤもミディアムからソフトへ履き替えた。
17番手で復帰した後、チームから問題が解決したとの無線が入った。終盤には自己ベストを更新したものの、最終結果は16位となった。
ピットレーンからスタートしたストロールは、15周目に最初のピットインを行い、35周目には16番手を走行した。41周目の2度目のピットインでソフトに交換し、17番手でコースへ復帰した。
終盤にはリアのダウンフォースを大きく失う問題に見舞われたものの、最終的にはアロンソの前となる15位でフィニッシュした。
4位にハミルトン、5位にノリス、6位にハジャーが入った。7位はピアストリ、8位はラッセル。ローソンが9位、ガスリーが10位となり、ポイントを獲得した。




