・ハースとTGRがF1協力体制を発表、育成と普及を重視
・坪井翔にF1走行機会、国内王者の可能性をF1で検証
・富士でF1を公開、文化醸成と人材育成の両立を目指す
ハースF1チームとTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、富士スピードウェイで実施された旧型車テスト(TPC)の機会を活用し、F1における新たな協力体制を模索していくと語った。小松礼雄チーム代表(ハース)とTGRモータースポーツ部 加地雅哉部長が記者会見で、両者の提携の意義や今後の展望について語った。
最大の目的として強調されたのは、ドライバーおよびエンジニアの育成だ。特に2024年の全日本スーパーフォーミュラ選手権チャンピオンである坪井翔に、F1マシンでの走行機会を提供することで、F1で戦うポテンシャルを評価しようという意図があるという。
「国内最高峰のドライバーに、世界最高峰のF1マシンを経験してもらうことは大きな意味がある」とし、その経験を通じて新たな道を切り拓く可能性を示唆した。
また、テストを富士スピードウェイで公開することにも明確な狙いがあると説明。F1マシンが日本のサーキットを走る姿を実際に見てもらうことで、F1をより身近に感じてもらい、モータースポーツ全体の裾野を広げていきたいという。
「育成だけでなく、モータースポーツ文化の醸成という意味でも、こうした活動には大きな価値がある」と語った。
両者は、今回の取り組みが単なるテスト協力や技術支援にとどまるものではないことを繰り返し強調。チーム文化の相互理解や、将来のモータースポーツを担う人材育成への長期的な貢献を見据えた提携であると述べた。小松代表は「一緒に戦っている」とし、トヨタが仲間になってくれることは「非常にありがたい」と感謝を述べた。
「F1という国際的な舞台を通じて、日本の人材や技術がさらに育ち、世界へ羽ばたいていくための一歩にしたい」と、今後の継続的な協力関係に強い意欲を示した。
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