ドライバーが長いスティント※をほぼ全開で走れるレースが再び見られたことを受け、ピレリは2027年に向けて意図的にタイヤのデグラデーション(性能低下)を増やす開発を進めている。
※スティント:F1では、同じタイヤセットで連続して走行する区間のこと。スタートから最初のピットストップまでの走行も含む
アゼルバイジャンGPも、その最新の例となった。マックス・フェルスタッペンはレース後、次のように語った。
「最後の数周は本当に楽しかったです。デグラデーションがほとんどありませんでした。最後までひたすらプッシュしていました」
ジョージ・ラッセルも「予選ラップを次々と走っているような感覚でした」と同意した。
アンドレア・キミ・アントネッリも、その2週間前にマドリードで行われたスペインGPで同じ傾向を感じていた。選手権首位のアントネッリは、次のように語った。
「デグラデーションはかなり少なかったです。まだ多少はありましたが、予想よりずっと少なかったです」
ピレリ自身も、バクーでのデグラデーションは「極めて少なかった」と説明した。摩耗やグレイニングもほとんどなく、タイヤを管理する必要性も低かったという。
2027年に向け、ピレリが変えようとしているのは、まさにこの点だ。
スペイン紙『Marca(マルカ)』は、ピレリのエンジニア、シモーネ・ベラの次の発言を紹介している。
「私たちの目標は、マシンのバランスや安定性そのものよりも、デグラデーションを増やすことにありました。フロントタイヤのデグラデーションを増やすためのさまざまな方法と、リアタイヤでデグラデーションを発生させる方法を評価しました。タイヤの構造そのものを見直し、発熱を増やして、より大きな熱劣化を生み出そうとしています」
ベラによると、ピレリは今年、今季の実車を使って開発を進められたため、2026年用タイヤの開発時よりも状況を明確に把握できたという。
「今年はミュールカーではなく、今季の実車を使って開発を進めました。そのため、状況をはるかに明確に把握できました」
ピレリの狙いは、デグラデーションに関するドライバーの意見に応えることではなく、戦略の幅を広げ、1ストップが明らかに有利な選択肢となるレースを減らすことにある。
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