・2026年F1規則にドライバーが反発し、安全懸念が拡大
・鈴鹿で速度差問題が露呈し、FIAが緊急協議へ動く
・回生システムによる危険性にドライバーが強く警鐘
F1の2026年レギュレーションを巡り、ドライバーたちの間で激しい反発が巻き起こっている。日本GPで安全上の懸念が高まったことで、FIA(国際自動車連盟)は対応に追われている。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンでさえ、数週間以内にF1からの引退を検討する可能性を示唆しており、グリッド全体で不満が沸点に達している。
現世界チャンピオンでマクラーレンに所属するランド・ノリスは、スウェーデンの動画配信サービス『Viaplay』のインタビューを待つ間にフェルスタッペンの発言を聞き、皮肉を込めてこう述べた。
「今まで見た中で最高のレースでした」
自身の立場を考えれば、より真剣な姿勢を取るべきだと指摘されたノリスは、「そんなことを言っても無駄です。何を言っても意味がないんです」と反論した。
「ファンが楽しんでくれればそれでいいんです」
ドライバーの気持ちも重要だと指摘されると、ノリスは「それは明らかに違います」と端的に答えた。
事態が一気に緊迫したのは、オリバー・ベアマンが日本GP決勝で大クラッシュを喫し、脚に軽傷を負った事故が発生してからだった。スプーンコーナーでフランコ・コラピントに接近した際、両車の速度差は時速50km以上にも達していたという。
コラピントは、現行システムは「不自然で危険だ」と警鐘を鳴らした。
「まるで片方の車がスローアウトラップを走っていて、もう一方がアタックラップで限界まで攻めているような感じです。
ステアリングを見ると後続との差が0.6秒あるのが分かりますが、それが数メートルで一気に詰まってしまいます。ブーストが非常に強力です。オーバーテイクはしやすいですが、その動きは不自然で危険です」
※スローアウトラップ:ピットアウト直後をゆっくり走る周回
GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事を務めるカルロス・サインツは、これまでで最も強い警告を発した。
「このような事故が起こるのは時間の問題だと警鐘を鳴らしてきました。ブーストを使えば、時速30km、40km、50kmもの速度差を生み出せます。
幸いにも鈴鹿にはランオフエリアがあります。
ですが、バクー(アゼルバイジャン)、シンガポール、ラスベガスといったサーキットで、これほどの速度差が生じ、壁に激突するような大事故が起きたらどうなるか想像してみてほしいのです」
「GPDAとして、僕らはFIAに対し、このレギュレーションではこうした事故が起こると警告してきました。このような事態を避けるために、早急に何らかの変更を行う必要があります。ラップタイムが1秒遅くなっても構いません。とにかく解決策を見つけなければならないのです」とサインツは語った。
FIAは事態収拾のため迅速に対応し、緊急協議を行うとの声明を発表した。
「新しいレギュレーションの運用状況を評価し、必要な修正点を判断するため、4月に複数の協議を予定しています」と述べ、安全性は「常に最重要要素であり続ける」と付け加えた。
元FIA幹部で現在はレーシングブルズF1の代表を務めるピーター・バイエルによると、各チームのテクニカルディレクターとFIAとの重要会議が4月9日に予定されているという。
「例えば、後続のドライバーが前方の状況をより把握しやすくするため、ライトシグナルの活用についても検討しています」とバイエルは語った。
元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースは、この状況を「ドライバーとFOM(Formula One Management:F1の商業権を管理・運営する組織)、そしてFIAの間で激化する争い」と表現した。
レース優勝経験者であり、史上最年少のチャンピオンシップリーダーであるキミ・アントネッリでさえ、早期変更の可能性を認めた。
「FIAはすでにマイアミGPに向けて、予選と決勝の双方で改善策を検討しています。非常に難しい問題です」とアントネッリは語った。
F1日本GPサインツ苦境・・・新レギュレーション差はむしろ拡大
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