・アントネッリ3連勝でラッセルとの差が鮮明化するメルセデス内部事情
・シューマッハが指摘するアントネッリ中心へ傾くメルセデス体制
・苦戦続くラッセルに高まる重圧と揺らぐチーム内序列
2026年シーズン、メルセデスの19歳の超新星アンドレア・キミ・アントネッリが、チームメイトのジョージ・ラッセルを圧倒するパフォーマンスを見せている。この状況を受け、ラッセルへのプレッシャーはかつてないほど高まっている。
イタリア出身のアントネッリは、ポールポジションから直近3連勝を達成。ワールドチャンピオンシップでもラッセルに20ポイント差をつけており、圧倒的な強さを誇るメルセデス内部でも注目を集めている。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、ドイツメディア『Sky Deutschland(スカイ・ドイチェランド)』に対し、現在の力関係を次のように述べた。
「率直に言って、マイアミGPではアントネッリがラッセルを完全に圧倒していました。それが現実です。ラップタイムの面でも、両者の間には大きなギャップが存在していました」
シューマッハは、メルセデス内部の勢力図が急速に変わりつつあると考えている。
「トト・ウォルフ(メルセデスF1代表)にとって、今の状況は理想的でしょう。なぜなら、ついに“ナンバー1ドライバー”を手に入れたのですから。ワールドチャンピオン争いができるナンバー1のエースと、ポイントを着実に獲得するラッセル。現時点ではそのような力関係に見えます」
「そして今後は、チーム内で新たな動きが起きるでしょう。メルセデスはますますアントネッリの意見を重視するようになります。さらに、彼は担当レースエンジニアとの連携を通じて、チーム全体へ大きな影響力を及ぼし始めています」
シューマッハは語り、有名なレースエンジニアのピーター・ボニントン(愛称ボノ)の存在にも言及した。
「ラッセルがここから巻き返せるかは興味深いですね。ただ、簡単ではないと思います」とシューマッハは付け加えた。
シューマッハは、ラッセルの振る舞いにも変化が見えていると指摘した。
「ラッセルは素晴らしいF1ドライバーであり、その経験を考えればタイトル争いをする力は十分にあります。ただ、以前のようにすべてがスムーズに進んでいないのは明らかで、彼自身も自問自答しているように見えます。今はチームメイトの方が速く、本人もどこか張り詰めているようです。この状況は昨年のマクラーレンのオスカー・ピアストリを思い出させます」
さらにシューマッハは、ラッセルのパブリックイメージの作り方にも苦言を呈した。
「私から見ると、ラッセルは本当の自分を見せていません。“英国流の礼儀正しさ”を装っていますが、それは単なるポーズに過ぎません。そして今、それが裏目に出ているように感じます。彼は自分自身を出せていないのです。むしろ本音をもっと口にした方がいいと思います。外から見ても、うまくいっていないのは誰の目にも明らかなのですから、正直に現状を語ってもいいはずです」
一方で、快進撃を続けるアントネッリ自身は、パドックでの自分の立ち位置が変わったことを実感しているようだ。
「昨年は(レッドブルの)フェルスタッペンや(フェラーリの)ハミルトンがとてもオープンに接してくれて、助けてもらっていました。でも、今はもう、誰もそんなことはしてくれないですよ」と彼はドイツの『Bild』紙に語った。
【関連記事】
●「ラッセルの王座は遠のいた」元F1最高責任者エクレストン、19歳アントネッリをチャンピオン候補に
|
|