・アントネッリが波乱のカナダGPを制し、開幕から4連勝
・ハミルトンがフェルスタッペンを攻略、自身F1通算204回目の表彰台
・アロンソは一時10位まで浮上も、シートの問題で無念のリタイア
気温12℃、路面温度17℃、湿度72% ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットはスタート前、曇り空で小雨が断続的に降る難しいコンディションだった。
スタート後はドライコンディションとなり、インターミディエイト(小雨用の緑色タイヤ)を選択したチームは、スタート直後にタイヤ交換を迫られた。
19歳のアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が、開幕から4連勝を飾った。2位はルイス・ハミルトン(フェラーリ)で、自身F1通算204回目の表彰台。3位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)で、今季初の表彰台となった。
スタート前から路面状況は読みにくく、マクラーレン勢はインターミディエイトを選択した。
フォーメーションラップではアービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)がスタートできず、レースはいきなり波乱含みの幕開けとなった。
スタート直後にはランド・ノリス(マクラーレン)が一気に前に出てトップに立ったものの、タイヤ交換のためピットイン。オスカー・ピアストリ(マクラーレン)も早い段階で「ミスだね。交換した方がいいのでは」と無線で訴え、ピットへ向かった。マクラーレン勢は序盤から戦略面で大きく後退する展開となった。
レース序盤から注目を集めたのは、メルセデス勢のバトルだった。
ジョージ・ラッセル(メルセデス)とアントネッリは激しい首位争いを展開。ラッセルが前に出た直後、ブレーキングで大きく減速する場面があり、背後にいたアントネッリはブレーキングを乱して大きくコースアウトし、ラッセルに順位を譲った。
その後もメルセデス同士の攻防は続き、アントネッリが一度トップに浮上。さらに、ラッセルが再びトップに戻った直後には、コースアウトしたアントネッリがラッセルの前へ出る場面もあり、チームからはアントネッリにトップを譲るよう無線が飛んだ。
互いにロックアップする場面もあり、ラッセルが前に出れば、アントネッリもすぐに反撃するという接戦が続いた。
首位争いの中心にいたラッセルだったが、レース中盤に突然パワーを失い、オーバーランしてストップ。「突然パワーを失った」と無線で訴えた。
ラッセルはヘッドレストを投げ捨て、マシンを降りると、コース脇でぼう然と立ち尽くしていた。これによりバーチャル・セーフティカーが導入され、各車がタイヤ交換へと向かった。
レース中には、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)とピアストリの接触も発生。ピアストリには10秒のタイムペナルティが科され、その後、バーチャル・セーフティカーのタイミングでピットインし、ペナルティを消化した。
アイザック・ハジャー(レッドブル)は、シャルル・ルクレール(フェラーリ)とのバトル中に左右へ動いたとして10秒ペナルティを受けた。
さらに、ノリスはギアボックスのトラブルとみられる問題で自らコース外へ。セルジオ・ペレス(キャデラック)は、ピットインと同時に右フロントアームが突然折れるトラブルに見舞われた。
フランコ・コラピント(アルピーヌ)はピット出口で壁に接触し、フロントウイングに軽いダメージを負った。「ピットを出たあとに濡れた路面に乗り、白線上で滑ってウォール側へ流れ、壁に横から接触してしまった。」とレース後にコメントしている。
終盤には3番手のハミルトンが2番手のフェルスタッペンとの差を詰め、オーバーテイクモードを使える1秒以内に入った。
ハミルトンは無線で「もっとパワーが必要だよ」と訴えながらフェルスタッペンに接近。ターン1のアウト側から仕掛け、フェルスタッペンをオーバーテイクした。
その後もフェルスタッペンは反撃を狙ったが、ハミルトンは2位を守り切り、自身F1通算204回目となる表彰台を獲得した。
アストンマーティン・ホンダのフェルナンド・アロンソは、ソフトタイヤでスタートし、序盤に19番手から12番手まで大きく順位を上げた。5周目までにポイント圏内の10位へ浮上した。
しかし、その後はポジションを落とし、20周を走行したあとにピットイン。ソフトタイヤに交換してコースへ戻ったが、3周後に再びピットへ戻り、ガレージへ入った。その後、シートの問題によりリタイアしたとチームが発表している。
アストンマーティン・ホンダのランス・ストロールは、バッテリー(ESME製)の交換とセッティング変更を行ったため、ピットレーンスタートとなっていた。22番手から順位を上げ、49周を走行後にミディアムタイヤへ交換。母国レースを15位、4周遅れで完走した。
波乱のレースを制したのはアントネッリだった。
19歳のアントネッリは、冷えた路面と難しいコンディションに加え、チームメイトとの激しいバトルも乗り越えてトップでフィニッシュ。これで4連勝を飾った。
レース後、アントネッリは「望んでいた勝ち方ではありませんでした。ジョージとは良い戦いになるはずでしたが、それでも勝利を受け取ります。ジョージとのバトルは本当に楽しかったです。限界のところで戦っていましたし、今日は風もあって簡単ではありませんでした。」とコメントした。
2位はハミルトン、3位はフェルスタッペン。ハジャーは5位でフィニッシュし、レッドブルのセカンドドライバーとして一昨年のペレス以来となる好結果を残した。
ハミルトンは「実際にマックスとレースができたのも良かったです。何とか食らい付いて結果を出しました。」と語り、フェルスタッペンは「ルイスとのバトルも良かったですし、最後までプッシュし続けました。久々の表彰台ですから楽しいです。」と振り返った。
なお、リンドブラッド、アルボン、アロンソ、ラッセル、ペレスはリタイアとなった。
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