2026年シーズン開幕11戦を終えたアウディは、ワークスチームとして迎えた初年度の前半戦をコンストラクターズ選手権8位で折り返した。
21歳のガブリエル・ボルトレートは、チームが獲得した12ポイントのうち10ポイントを獲得。予選では38歳のニコ・ヒュルケンベルグが6勝5敗とリードする一方、決勝ではボルトレートが7勝4敗と上回っており、セッションによって両者の優位が入れ替わっている。
前身のザウバーを引き継いだアウディは、開幕戦でポイントを獲得した後、7戦連続で無得点に終わった。しかし、夏休み前の3戦で復調し、上向きの流れで前半戦を終えた。
ボルトレートは、開幕オーストラリアGPで9位に入り、アウディのF1初戦で2ポイントを獲得した。
続く中国GPからオーストリアGPまでは、チームとして7戦連続の無得点。流れを変えるきっかけとなったのが、夏休み前に投入されたアップグレードだった。
ボルトレートはイギリスGPとベルギーGPで2戦連続8位に入り、ヒュルケンベルグもハンガリーGPで9位に入賞。
アウディはこの3戦だけで10ポイントを加え、合計12ポイントの選手権8位で夏休みを迎えた。
予選でも前進が見られた。ボルトレートはベルギーGPでQ3へ進出し、チームの今季最高となる8番グリッドを獲得。アウディは開幕11戦で計5回のQ3進出を果たしている。
チーム内対決では、予選でヒュルケンベルグが6勝5敗とわずかにリードする一方、決勝ではボルトレートが7勝4敗と上回った。
ただし、この決勝成績には、ヒュルケンベルグが見舞われたトラブルや不運も影響している。
ボルトレートは中国GPで決勝に出走できなかったものの、残る10戦はすべて完走。
対するヒュルケンベルグは3度のリタイアを喫し、オーストラリアGPでは決勝をスタートすることもできなかった。
特にバルセロナ・カタルーニャGPでは、レーシングブルズのリアム・ローソンが巻き上げた砂利が、ヒュルケンベルグ車の安全用ファイアスイッチを直撃。
自動安全機能が作動してすべての電気系統が停止し、レースを終えることになった。
それでも、夏休み前最後のハンガリーGPでは、予選、決勝ともにボルトレートを上回り、今季初ポイントを獲得した。
「僕もチームも、結果を出せる力があることは分かっていました。あとはすべてをまとめるだけでした。ようやくすべてがかみ合いました」
元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーは「アウディを見限ることはできない」と、プロジェクトの将来性を評価し、ヒュルケンベルグに対しても、チームを離れず、力を尽くし続けるよう助言していた。
アウディF1の最高経営責任者(CEO)兼チーム代表を務めるマッティア・ビノットは、経験豊富なヒュルケンベルグと若いボルトレートの2人に満足していると強調。
ヒュルケンベルグについては、誠実で率直であり、政治的な駆け引きをしないドライバーだと評価。5月には、言葉ではなく行動で模範を示す「真のリーダー」と称賛した。
一方、ボルトレートについても「非常に速く、すでにリーダーの資質を備えている」と高く評価している。
予選で強さを見せるヒュルケンベルグと、決勝成績や獲得ポイントで先行するボルトレート。ベテランの経験と若手の勢いという、それぞれの強みが数字にも表れた前半戦となった。
アウディのレーシングディレクターを務めるアラン・マクニッシュは、チームが前向きな流れと貴重な教訓を得て夏休みに入ったと総括した。
2026年と2027年を基礎構築の年と位置付けるアウディにとって、夏休み前の3戦連続入賞は小さくない前進である。
2030年までに世界タイトルを争える体制を築くという長期目標に向け、後半戦でさらに前進できるかが注目される。
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