・ドメニカリ、「純粋主義者」による2026年F1レギュレーションの批判は誇張だと反論
・将来的には軽量マシンと“より伝統的なPU”へ回帰する可能性も示唆
・ドメニカリ、F1は純粋主義者だけでなく新たな観客層も重視すべきだと強調
F1のステファノ・ドメニカリCEOが、F1の物議を醸している新時代レギュレーションへの批判に反論し、“純粋主義者”※や苦戦を強いられているチームが問題を誇張していると指摘した。
※純粋主義者:レースを「ドライバーの純粋な技術」や「マシン本来の限界性能」を競うものと捉える人々
ドメニカリ氏はイタリアのラジオ局『Radio 24』に対し、こうした反発は予想していた範囲内だと語った。
「私は1990年代からF1に関わってきましたので、今ではベテランだと言えるでしょう。私はこれまでずっとこの手の批判を見てきました。ですから、これは強調しておく必要がありますが、特にグリッド後方にいるチームを含め、数年前から全員が完全に把握していたレギュレーションの制約を、開幕直後から批判したとしても驚きませんでした」
2026年レギュレーションでは、内燃エンジンと電力出力の比重を大幅に高め、エネルギーマネジメントを重視する内容となっている。しかし、プレシーズンテスト以来、ドライバーやチームから繰り返し批判を受けており、2026年中にも修正が加えられ、さらに来年にも追加変更が予定されている。
だが、ドメニカリ氏はF1が選択した方向性を擁護した。
「レギュレーション変更には、常に理由があります。好き嫌いはあるでしょう。しかし、このタイプのパワーユニット(PU)が必要とされた理由があったことを改めて強調しておきます。さもなくば、現在のように自動車メーカーがF1へ参戦することはなかったでしょう」
一方でドメニカリ氏は、次の大規模レギュレーション改正ではF1が方向転換できる状況になったことも認めた。すでに複数の関係者が、大音量でシンプルなV8エンジンへの回帰を求めている。
「次のサイクルでは、メーカー側のF1参戦に対する考え方も変化してきていますから、PUはより伝統的な方向へ戻っていくでしょう。マシンは軽量化され、持続可能な燃料が使われることになります」とドメニカリ氏は語った。
また、レース内容を巡るネガティブな論調は、すでに薄れつつあるとの見解も示した。
「最初の3戦、そして特に直近のマイアミGPを終えた時点で、純粋主義者たちが議論していたような非常に技術的な問題は、すでに大きな話題ではなくなっています。私たちは来年に向けて、こうした声を最小限に抑えるための対策も当然ながら講じています」
さらにドメニカリ氏は、F1が今後は“純粋主義者ではない新たな観客層”の声も考慮しなければならないと強調した。
「現在、世界中で何百万人もの人々がF1を追いかけています。しかも、その観客層はますます若年化し、F1に魅了される人々も増えています。もちろん、偉大なドライバーと優れたマシンによる戦いがF1の中心でなければなりません。しかし、F1は時代とともに進化してきたのです。そもそも、開幕数戦で大きく議論された“リフト・アンド・コースト”も、1980年代には存在していました。そのことを忘れてはいけません」
イタリア人ジャーナリストのレオ・トゥッリーニも、自身のブログでドメニカリ氏とこの問題について議論しており、ドメニカリ氏はレギュレーションが政治的に操作されたとの見方を否定した。
「当然ですが、私がこのレギュレーションを書いたわけではありませんし、リバティ・メディアが押し付けたわけでもありません。これは数年前に、FIA(国際自動車連盟)とメーカー各社の間で合意されたものです。これを巨大な陰謀の結果だと片付けるのは子供じみています。誰の陰謀だというのでしょう。何のための陰謀なのでしょうか」
最後にドメニカリ氏は、批判がある中でもF1人気が拡大を続けていることこそ、このスポーツが健全である証拠だと強調した。
「今のF1ほど人気を集めている時代はありません。若者や女性から、これほど大きな支持を得たこともありませんでした」
「しかも、それは新しい技術レギュレーションのおかげではありません。この流れは、レッドブルが支配していた旧レギュレーション時代から、すでに確立されていたものなのです。」
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