レッドブルが、物議を醸しているFIAのエンジン評価に強い不満を抱いていると報じられている。予想外にも、レッドブル・フォードがF1の基準となるパワーユニットメーカーに指定されたためだ。
レッドブルは、フォードおよびレッドブル・パワートレインズ(英国ミルトンキーンズに拠点を置くチーム専用のエンジン部門)とともに、2023年から次世代パワーユニットの開発を進めてきた。そして2026年からは、その自社製パワーユニットをレッドブル・レーシングと姉妹チームのレーシングブルズで使用している。
この論争の中心にあるのは、FIAの新しいADUO制度だ。これは、性能面で遅れているエンジンサプライヤーに追加の開発機会を認める仕組みだ。
オランダ紙『De Telegraaf(デ・テレグラーフ)』のジャーナリスト、エリック・ファン・ハーレンによると、各メーカーはモナコGPで、FIAの見解をまとめた1ページの文書を受け取ったという。
その評価は、パワーユニットのうち内燃エンジン部分だけに焦点を当てたものだとされている。
「パワーのおよそ半分は電動モーターから来ていますが、この測定ではそれが除外されています」とファン・ハーレンは説明した。
暫定的な見解では、メルセデスは基準値から2%以上遅れているとされ、今年と来年にわたって1つのアップグレードパッケージを認められる対象になるという。
フェラーリ、アウディ、ホンダは4%以上遅れているとされ、2つのアップグレードパッケージが認められる可能性がある。
しかし、レッドブルには一切の優遇措置が与えられない。
ファン・ハーレンは次のように書いている。
「情報筋は、レッドブルがFIAのADUO制度の評価結果に非常に不満を抱いていることを認めています。エンジン開発の舞台ではデビュー組であるにもかかわらず、いきなりいわゆる基準にされたからです」
その不満の一因は、2026年ここまでメルセデスが全レースで勝利していることにもある。パドックでは、多くの関係者がドイツメーカーのメルセデスが総合的に最も強力なパワーユニットパッケージを持っていると見ていた。
レッドブルはFIAに説明を求めていたとみられる。
パドックで憶測が広がる中でも、FIAは沈黙を続けていた頃、レッドブルF1のチーム代表ローラン・メキースも、モナコGPでのコメントを避けた。
その後、スウェーデンの配信サービス『Viaplay(バイアプレイ)』が、F1で最高のエンジンを持つことになったとしてメキース代表に冗談交じりに祝福の言葉を送ると、フランス人のメキース代表は喜ぶ様子を見せなかった。
「祝福するには、まだ少し早いです」とメキース代表は笑みを浮かべた。
「FIAからは、変更される可能性のある情報を受け取っています」
メキース代表は、レッドブルが正式に説明を求め、計算内容の再確認を要求したことを認めた。
「想像できると思いますが、彼らの分析が正しいことを確認するため、私たちは非常に詳細な協議を行っています」とメキース代表は語った。
FIAが沈黙を続けていることには、他方面からも批判が出ていたようだ。
フランス紙『L'Équipe(レキップ)』のジャーナリスト、フレデリック・フェレは、「連盟が透明性を欠いたまま水面下で進めているため、数値は不明瞭なままです」と不満を示していた。
その後、FIAはこれを受けて数値の再検証を行うことで合意したと報じられた。同紙はFIA報道官の発言として、「計算を見直し、結果の確実性を確保するために数値を精査する」と伝えている。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、政治的な要素が関係していた可能性を疑っている。
「もちろん、電動部分も大きな役割を果たしています。しかし、この比較ではそれが考慮されていません」とラルフ・シューマッハは、ドイツの有料放送局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュラント)』で語った。
「私は、メルセデスが非常に賢く立ち回ったという見方を変えていません。トト・ウォルフ(メルセデスF1代表)は、レッドブル・フォードのエンジンが非常に強力になると繰り返し強調していました」
「それはGTレースのBoP(性能調整)を思い出させます。シーズンを有利に進めるには、賢く立ち回らなければなりません。メルセデスはまさにそれをやったのだと思います。彼らのエンジンが、まだすべてを見せていないとしても驚きません」
一方でラルフ・シューマッハは、もしFIAの評価が正しいのであれば、レッドブルの達成は称賛に値するとも語った。
「レッドブルが成し遂げたことが、どれほど特別なのか、私たちは引き続き強調しなければなりません。結局のところ、レッドブルはエナジードリンク会社でありながら、今やトップレベルのエンジンを作っているのです」
「クリスチャン・ホーナー(元代表)は、その点で大きな称賛に値します。」
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