ルイス・ハミルトンは、フェラーリ移籍初年度となった2025年、マシンへの適応に苦しんだ。
それでも、かつてチームメイトとして戦ったジョージ・ラッセルとフェルナンド・アロンソは、7度のF1世界王者が再びトップレベルの速さを取り戻すと信じていた。
そして翌2026年、ハミルトンは復調を遂げ、ついにフェラーリ移籍後初となるグランプリ優勝を飾った。
ハミルトンは2024年2月、同年限りでメルセデスを離れ、2025年からフェラーリへ移籍することを電撃発表した。これにより、F1のドライバー市場は大きく動いた。
フェラーリで迎えた2025年、中国GPのスプリントでは勝利を飾ったものの、シーズンを通じてマシンへの適応に苦しんだ。
ハンガリーGPの予選後には、落胆したハミルトンが自らを厳しく批判し、「フェラーリはドライバーを代える必要がある」とまで発言していた。
夏休み明けのオランダGPを前に、ハミルトンはこの言葉について「感情的になった瞬間の発言だった」と説明していた。
ハミルトンと2022年から2024年までメルセデスでチームメイトとして戦ったラッセルは、ハンガリーGPを前にサーキット外で本人と話したことを明かし、元チームメイトが置かれた状況に理解を示した。
「彼にとって厳しい状況だと思います。どのドライバーにとっても、自分の力を発揮できていないと感じるのはつらいことです。ただ、F1は本当に難しいですし、ルイスは戦う男です。彼はこれからも続けていくと思います。ただ、彼の考えを僕が代わりに語ることはできません。もちろん、友人として幸運を願っています。でも、ライバルとしては、そこまで幸運を願うわけにもいきません。僕たちは彼らを倒したいですから」
苦境にある元チームメイトを気遣いながらも、ラッセルはライバルとしてハミルトンとフェラーリに負けるつもりはないことも明確にした。
アロンソは、2007年にマクラーレンで当時ルーキーだったハミルトンとチームメイトとなり、激しいタイトル争いを繰り広げた。最終的に王座を獲得したのはフェラーリのキミ・ライコネンで、このタイトルは現在もフェラーリにとって直近のドライバーズタイトルとなっている。
アロンソも2010年から2014年までフェラーリに在籍しており、ハミルトンとチームの双方をよく知る一人だ。
苦戦するハミルトンにどのような助言を送るか問われたアロンソは、外部からチーム内部の状況を判断することは難しいとしたうえで、その実績と能力に揺るぎない信頼を示した。
「難しいですね。外からでは、何が起きているのか確かなことは分かりません。ただ、ルイスは何も証明する必要がありません。彼は信じられないほど優れたドライバーです。遅かれ早かれ、トップレベルの速さを取り戻すでしょう。ルイスとフェラーリの組み合わせには、常に大きな敬意を払う必要があります」
アロンソの言葉通り、ハミルトンは翌2026年に復調を見せた。
中国GPでは3位に入り、表彰台を獲得した。「間違いなく、ベストの自分に戻ってきたと感じています」と語り、復調に手応えを示した。
ハミルトンによると、2025年シーズン中盤から終盤にかけて、エンジニアと自身がマシンに求める要素について話し合いを重ねていたという。自身の意見に耳を傾け、要望をマシンに反映したフェラーリにも感謝を示している。
そしてバルセロナ・カタルーニャGPでは、フェラーリ移籍後初となるグランプリ優勝を達成した。
2024年ベルギーGP以来となる通算106勝目。さらに同サーキットでは単独最多となる7勝目を記録し、フェラーリ加入2年目にして待望の勝利をつかんだ。
2025年、苦境に立たされていたハミルトンに変わらぬ信頼を寄せたラッセルとアロンソ。その言葉に応えるように、ハミルトンはフェラーリ2年目で再びグランプリの頂点へと戻った。
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