ホンダF1、“スペック2で何が起きた?”性能不足報道に反論 「イタリアGPは厳しい戦いを覚悟」
ホンダは、F1オランダGPで投入したスペック2エンジンが期待された性能を発揮できなかったとの見方に反論し、新たなパワーユニットはベンチテストで確認した性能水準に達していたと説明した。
オランダGPをめぐっては、ホンダが約50馬力の向上を目指していたものの、実際にコース上で得られたのは20馬力未満だったとの報道もあった。またドライバーのフェルナンド・アロンソとランス・ストロールは、新エンジンのドライバビリティに公然と不満を示していた。
■ホンダ「ベンチで確認した数値はコース上でも出ている」
ホンダF1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎氏は、英国の『Motorsport Week』に対し、性能の向上幅は期待どおりだったものの、エンジン特性の変化によって早急な対応が必要になったと説明した。
「オランダGPで新しい仕様のエンジンを投入しました。性能面では一歩前進したことを確認しています。ベンチテストで確認していたとおりの結果だったため、そこはポジティブな点でした」
「一方で、ドライバビリティを改善できる点も見つかりました。そのため、制御特性を見直し、アップデートしました」
■燃焼仕様の変更でドライバビリティの課題が再浮上
一方、折原氏は、燃焼仕様を変更したことで、ホンダがシーズン前半を通じて改善に取り組んできたドライバビリティの問題が再び表面化したことを認めた。
アロンソは、この状況を「振り出しに戻った」と表現していた。
「ドライバビリティに課題があることは確かです。しかし、対策を講じ、改善のプロセスを進めれば性能が向上することも確認できています。そのため、スペック2が失敗だったとは考えていません。一定の改善は見られましたが、安定したトルクを出せる水準にはまだ達していません」
■エンジンブレーキとアクセルレスポンスにばらつき
アストンマーティンの両ドライバーが訴えた主な問題は、エンジンブレーキとアクセルレスポンスが安定しないことだった。
「具体的には、ブレーキング時のエンジンブレーキが周回ごとに安定せず、ドライバーは苦労しています。アクセルを踏み込んだ量に対して、期待どおりのトルクが出なかったり、逆に出すぎたりしていました。そうなると、コーナー出口で突然ホイールスピンが起きるため、ドライバーは自信を持って攻めることができませんでした」
■予想以上の燃焼特性の変化 HRC Sakuraで対応
ホンダは今季開幕戦でもドライバビリティの問題に直面し、出力特性を滑らかにするための専用制御ツールを開発していた。しかし、スペック2では燃焼特性が予想以上に大きく変化したため、従来の制御では十分に対応できなかった。
「燃焼特性の違いは、私たちが予想していたよりもはるかに大きいものでした。そのため、新しい燃焼特性をより適切に制御できるよう、制御ツールを調整する必要がありました」
ホンダは次戦イタリアGPに向け、ドライバーからのフィードバックとザントフォールトで収集したデータを基に、HRC Sakuraで制御設定の見直しを進めた。
「新しい燃焼特性に適応し、ドライバビリティをさらに改善するため、データ設定の見直しと制御ツールの改良を行いました。しかし、ドライバビリティを満足のいく水準にするには不十分でした。間違いなく、これがオランダGPで明らかになった改善点です」
■スペック1から向上も「まだ最良ではない」
折原氏は、スペック2によって性能が向上した一方、ホンダが依然としてF1の基準となるトップレベルには届いていないことも認めた。
「スペック1と比べて、性能が確実に向上していることは間違いありません」
そのうえで、次戦イタリアGPの舞台となる超高速サーキットのモンツァでは、厳しい戦いになるとの見通しを示した。
「残念ながら、パワーユニットをアップデートしたとはいえ、まだ最良のものではありません。そのため、モンツァでは厳しい戦いになることを覚悟しています。」
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