メルセデスF1には、2026年シーズンの圧倒的なスタートの裏で、潜在的な弱点が浮上している可能性がある。
カナダGPで首位走行中だったジョージ・ラッセルのリタイアはバッテリー故障が原因だったが、チームはいまだに何が起きたのか、正確な原因を把握できていない。
オーストリア紙『Österreich』によると、損傷したバッテリーは深刻なダメージを受けており、調査のために欧州へ空輸することすら不可能な状態だったという。
そのため、安全上の理由から、ラッセルのバッテリーは現在、船便で輸送されている。
同紙は「カナダで使用されたバッテリーは完全に損壊していたため、航空輸送は危険すぎたのです」と伝えている。
メルセデスのエンジニアたちは、完全な原因究明に向けた解析を始めるまで、もどかしい待機を強いられている。
同紙はさらに「担当エンジニアたちは、原因調査を始めるまで、辛抱強く待たなければなりません」と付け加えた。
問題のコンポーネントはモナコGPに向けて交換されたものの、金曜日のモナコでは懸念が再燃した。メルセデス製パワーユニットを搭載するマクラーレンのランド・ノリスが、フリー走行2回目(FP2)で電気系統のトラブルとみられる問題により、コース上でストップしたためだ。
イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』は、この問題がバッテリー関連だったと報じている。
しかし、マクラーレンのチーフデザイナーであるロブ・マーシャルは、断言を避けた。
マーシャルは「何が原因かは分かりませんが、電気系統の問題です」と語った。
さらに、ノリスのマシン停止は別の問題も引き起こした。マシンをニュートラル状態にできなかったことで、チームには3万ユーロ(約555万円)の罰金が科されたのだ。
※1ユーロ=約185円(6月上旬為替)で換算すると、3万ユーロは約555万円
スチュワードによると、チームは「空力上の目的で、CDS※を作動させるために押す必要があるボタンの上に透明テープを貼っていた」ことを認めたという。
※CDS:Clutch Disengagement System(クラッチ解除システム)の略称
この問題は、マクラーレンがモナコでF1通算1000戦目を祝う中で起きた。ただし、チーム自身も、その通算参戦数についてはやや特殊な数え方をしていたことを認めている。
マクラーレンの広報担当ルカ・コラジャニはドイツ紙『Bild』に対し、「別に数え方を忘れたわけではありません。私たちが999戦目だとする統計は、2005年のインディアナポリスGPの扱いに関係しています。私たちはフォーメーションラップしか走行していませんが、それでも参戦1戦として数えました」と語った。
一方、マクラーレンとメルセデスが問題の原因究明を進める中、モナコではフェラーリが早くも速さを見せ始めている。
メルセデスのジョージ・ラッセルは、フェラーリの速さについて驚きはなかったと語った。
ラッセルは次のように述べた。「僕たちがフェラーリのパフォーマンスを過大評価しているだけだと思っていた人も多かったですが、明らかにそうではありませんでした」
また、メルセデスにとっては、レッドブルのマックス・フェルスタッペンの競争力も想定外だったという。
ラッセルは「レッドブルは僕たちにとって驚きでした。このコースが難しいことは分かっていましたが、予想以上に厳しい挑戦になったかもしれません」と認めた。
その一方で、メルセデスF1のチーム代表トト・ウォルフは、ランキング首位を独走するアンドレア・キミ・アントネッリとラッセルによるタイトル争いについて、現時点ではチームオーダーを導入する考えはないと強調している。
ウォルフ代表は『Bild』に対し、以下のように述べた。「私たちは可能な限りチームオーダーを避けますし、できることなら完全に採用しない方針です。私たちはチームオーダーが必要だとは考えていませんし、ドライバーたちには自由にレースをさせています」
ただし、カナダでは両者が一線を越えかけた場面もあったという。
ウォルフ代表は「カナダでは、両ドライバーは限界を超えかけましたが、話し合いで整理しました。キミとジョージは、自分たちがメルセデスに対して何を果たすべきか理解しています。もちろん、ドライバーはコンストラクターズチャンピオンよりもドライバーズチャンピオンを獲得したいものですが、チームが最優先です」と説明した。
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