「彼はまだ若すぎる」フェラーリF1が逃した19歳の逸材 アントネッリ5連勝で再び問われる判断

2026年06月11日(木)21:06 pm

記事要約


・アントネッリ5連勝でフェラーリの判断に再び厳しい視線

・若すぎるとの判断で獲得を見送った当時のフェラーリ

・将来的なフェラーリでの王座獲得にも期待の声


アンドレア・キミ・アントネッリがタイトル獲得に向けて快進撃を続ける中、フェラーリがイタリアから数世代に一人ともいえる若き才能をなぜ確保できなかったのかという疑問が、再び浮上している。

メルセデスの19歳のドライバーであるアントネッリは、現在5連勝を達成し、選手権首位に立ち、2位に66ポイント差をつけている。その活躍はイタリア国内で大きな期待を集める一方、フェラーリが若手時代に彼と契約しなかった判断にも、改めて厳しい視線が注がれている。

優れた才能の発掘で知られるレッドブルF1の元アドバイザー、ヘルムート・マルコ博士も、アントネッリの活躍に感銘を受けている。

モナコGPでは、マックス・フェルスタッペンがスタート時のトラブルに見舞われたことで、ファンが期待していたアントネッリとの直接対決は実現しなかった。

マルコ博士はスイス紙『Blick』に次のように語った。

「残念ながら、あのままレースが続いていたらどうなっていたかは誰にも分かりません。しかし、アントネッリには脱帽です。彼が現在、完璧に証明しているものこそ、F1最高峰の走りです」

フェルスタッペンのトラブルについては、次のように続けた。

「本当に不運でした。ファンは残念ながら、最高のドライバー2人による素晴らしい対決を見ることができませんでした」

イタリアのメディアも、アントネッリの成功を大きく取り上げている。

イタリアのスポーツ紙『La Gazzetta dello Sport』のジュリア・トニネッリは、フェルスタッペンが持つF1史上最多の10連勝記録に触れながら、次のように記した。

「フェルスタッペンの記録に並ぶまであと5勝です。アントネッリは8月の夏休み前まで連勝を続け、フェルスタッペンの記録に並ぶことを目指しています」

■フェラーリがアントネッリを獲得できなかった理由

一方、フェラーリF1チーム元代表のマウリツィオ・アリバベーネは、なぜアントネッリがフェラーリの育成プログラムに加わらなかったのかを説明した。

「私がフェラーリにいた最後の年である2018年、アントネッリは10歳か11歳でした」

アリバベーネは、イタリア紙『Quotidiano Nazionale』に次のようにも語っている。

「当時のフェラーリには、それほど若い子どもたちを育成する体制がまだ整っていませんでした。これはチーム代表としてではなく、会社としての体制の話です。フェラーリでは、他チームよりも少し事情が複雑なのです」

アリバベーネは、その状況が現在でも大きく変わっていないとの見方を示した。

「今でも、キミ・ライコネンの息子ロビンのような、才能ある11歳の少年と契約するのは簡単ではないでしょう」

当時のフェラーリは、別の若手有望株に力を注いでいた。

「私たちはシャルル・ルクレールをF1マシンに乗せることで手いっぱいでした。それですら簡単ではなく、全員が賛成していたわけでもありませんでした。ルクレールでさえ、フェラーリには若すぎると考える人もいました」

■将来的なフェラーリ加入の可能性も

それでもアリバベーネは、将来的にアントネッリがフェラーリで世界王者になる可能性もあると考えている。

「彼は19歳で、しかも非常に優秀です。だからこそ、たとえフェラーリに移籍したとしても、世界タイトルを獲得する時間は十分にあると思います」

F1での優勝経験を持つイタリア出身のリカルド・パトレーゼもまた、アントネッリの才能を早くから見抜いたメルセデスF1のトト・ウォルフ代表を称賛している。

「12歳で見出され、そのままF1まで育てられるドライバーはそう多くありません」

パトレーゼは、イタリア紙『Corriere della Sera』に次のように語った。

「アントネッリを信じて、支え続けたウォルフ代表にも感謝しなければなりません。大きな賭けでしたが、非常にうまくいっています」

もし自身がF1チームを率いる立場なら誰を起用するかと問われると、答えは即座だった。

「キミとフェルスタッペンです。最高の組み合わせです」

当時アントネッリのマネジメントを担当していたジョバンニ・ミナルディも、フェラーリが年齢を理由に獲得を見送った事実を認めている。

ミナルディは、イタリア紙『La Gazzetta dello Sport』に次のように語った。

「フェラーリからは『彼はまだ若すぎます』と言われました。」

■関連記事

●ルクレール怒り爆発「ブレーキがないような状態」フェラーリF1に波紋、ブレーキ大手ブレンボも異例声明
●フェラーリ、ADUO制度の恩恵へ ハミルトンが現時点のエンジン勢力図を明かす
●フェラーリ残留のルクレール「他チームからのオファー」認める 過熱するF1ドライバー市場、ハミルトンとフェルスタッペンの去就にも注目

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック
```