F1の2026年シーズン最終戦を巡り、不透明な状況が続いている。中東での開催が見送られた場合の代替候補としてイモラの存在感が高まる一方、アブダビは12月の最終戦開催を諦める様子を見せていない。
元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤによると、パドック内でも情報が錯綜しており、現時点で先行きを見通すのは極めて難しい状況だという。
モントーヤは、コロンビア紙『AS Colombia(ASコロンビア)』のポッドキャスト『MontoyAS』で、パドック内でもさまざまな見方が飛び交っていると明かした。
「この件についてパドックで20人に聞けば、20通りの話が返ってきます。イタリアGPの時点では、私が理解していた限り、カタールGPとアブダビGPは開催されないだろうという見方でした」
それでもモントーヤは、特にアブダビが12月のレース開催を維持するため、強く働きかけるとみている。
「非常に複雑な状況です。個人的には、アブダビはレースを開催できるよう、かなり強く働きかけると思います。現地には何の問題もなく、すべてが機能し、正常な状態にあることを世界に示したいのでしょう」
こうした姿勢は、対外的な動きにも表れている。
F1は現在も、12月4~6日にヤス・マリーナ・サーキットで開催されるアブダビGPをシーズン最終戦としてカレンダーに掲載している。プロモーターのエタラ※も、チケット販売や関連イベントの発表を積極的に続けている。
※Ethara(エタラ):アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビを拠点とするイベント運営会社。スポーツや音楽イベントの企画・運営、会場管理などを手がけ、F1アブダビGPのプロモーターを務めている。
数日前には、金曜日のコンサートにアレックス・ウォーレンが出演することが発表された。スウェーデン人歌手のザラ・ラーソンが同イベントへの出演を取りやめると発表した後も、エタラはアブダビGPに関する新たな情報を発信し続けている。
さらに今週、エタラがF1の2025年「プロモーター・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことを受け、UAE(アラブ首長国連邦)のムハンマド・ビン・ザーイド大統領が同社の代表団を迎えた。
アブダビは2027年もシーズン最終戦を開催することがすでに決まっており、同年には初めてスプリントも実施される予定だ。
一方、元マクラーレン、ウィリアムズのドライバーである50歳のモントーヤは、F1がアブダビでの開催に慎重になる理由にも理解を示した。
「何が起きているのかは理解していますし、F1が現地へ行きたくないということも分かります。安全面を考えれば、現地へ行きたくないという判断は理解できます」
モントーヤが特に難しいと指摘するのが、決断を下すタイミングと物流面だ。
「もし1か月後に『もう1か月待とう』ということになったら、どうするのでしょうか。そうなれば、レースまで残り2か月しかありません」
こうした状況のなか、F1のステファノ・ドメニカリCEOは難しい判断を迫られている。中東での2戦が中止となった場合、F1内部ではイモラが代替開催地として有力視されつつあるという。
「私はステファノ・ドメニカリを非常に尊敬していますし、最高のリーダーの一人だと思っています。でも、今の彼の立場にはなりたくありません。どのような決断を下しても、悪影響や批判が生じるでしょう」
経済面への影響も大きい。F1はすでに今季、中東で予定されていた主要レースの開催中止によって多額の収入を失っており、カタールGPとアブダビGPも中止となれば、さらなる大きな打撃を受けることになる。
ただし、モントーヤが問題視するのは、11月下旬までに現地情勢が好転する可能性が残されていることだ。
「対外的なイメージを考えれば、現地でレースをしないという判断には納得できます。でも、別の場所でレースをすると決めた2週間後に、完全な停戦が発表され、平和が訪れたらどうするのでしょうか?」
「だからこそ、この状況では、どのような判断を下しても正解にはならないのです。」
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