フェラーリにとって、ホームレースのF1イタリアGPは悪夢のような展開となった。シャルル・ルクレールはモンツァの最終コーナー、パラボリカで激しいクラッシュに見舞われ、右目の視界に異常が生じたため、次戦スペインGPを前に追加検査を受けることになった。
さらに、ルイス・ハミルトンは、チームメイト同士が争う際の明確なルールがフェラーリにはないと公然と批判。両ドライバーの緊張関係だけでなく、フレデリック・バスール代表のチーム運営にも厳しい視線が向けられている。
ルクレールとハミルトンは、オープニングラップから接触する場面があった。その後、ルクレールはパラボリカで激しいクラッシュに見舞われた。
事故後、ルクレールは右目に問題が生じていることを明かした。
「今は目に少し問題がありますが、けがはしていないので、その点ではすべて大丈夫です。最初は視界に問題があり、右目があまりよく見えませんでした。マシンを降りたとき、それが僕にとって一番の心配でした」
ルクレールは早めにサーキットを離れ、次戦スペインGPを前に追加検査を受ける予定だ。
「まだいくつか検査を受ける必要があります。おそらく今夜と明日に検査をして、スペインGPに向けて万全の状態でいられることを確認します。大丈夫だと思いますが、念のため慎重に確認した方がいいです」
バスール代表は、クラッシュの衝撃が極めて大きかったことを明らかにした。
「50Gの衝撃でした。本当にひどいものでした。シャルルができるだけ早くここを離れたかったことは理解できます」
フェラーリにとって、もうひとつの問題となったのが、両ドライバーの関係の緊張だ。
ハミルトンはオープニングラップでルクレールと争った末に10番手まで後退し、レース後には明らかな不満を示した。
「僕は汚いレースはしません。これまでも常にクリーンかつフェアに戦い、相手にスペースを残してきました。このチームに加入してからも、相手のスペースを尊重し、チームを危険にさらすようなことは絶対にしないよう努めてきました」
一方、ルクレールはレース後、両者の争いについて「僕たちはやりすぎた」との見方を示した。しかし、ハミルトンは「僕たち」という表現そのものを受け入れなかった。
「ターン2のエイペックス※では僕が前にいました。だから、それを『僕たち』の問題にすることはできません」
※エイペックス(クリッピングポイント):コーナーを旋回する際に、マシンが最も内側へ近づく地点
7度のF1ワールドチャンピオンであるハミルトンは、かつて所属したメルセデスとフェラーリを比較し、チームメイト同士が戦う際には明確なルールが必要だと訴えた。
「結局のところ、すべてはチームメイト同士が戦う際のルールに行き着くと思います。僕がメルセデスにいたときには、書面で定められたルールがありました。ここにはルールがありません」
さらにハミルトンは、その責任は最終的にチーム上層部にあるとの考えを示し、バスール代表を名指しした。
「最終的にはトップから始まることです。フレッドから始まります」
バスール代表も、これまで両ドライバーを自由に競わせてきた方針を変更しなければならない可能性を認めた。
「どこかの時点で、私たちは決断を下さなければなりません。ただ、モンツァ以前の段階では、私たちにとってまだ早すぎました」
しかしハミルトンは、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリとジョージ・ラッセルとのタイトル争いで、自身を優先するチームオーダーを導入するには、すでに手遅れだと主張した。
「もう、その段階はとっくに過ぎています。今日の結果で、ポイントでは彼らにかなり差を広げられてしまったと思います。何週間も前に手を打つべきでした」
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、今回の騒動がバスール代表自身の立場にも影響を及ぼす可能性があるとの見方を示した。
「これがバスール代表にとって何を意味するのか、私には何とも言えません。イタリアでこのようなことが起き、しかもフェラーリのトップもその場にいました。誰も見たくないような、ある種の醜態でした。」
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